1960年代メディアアートの先駆者トーマス・バイルレ、エスパス ルイ・ヴィトン 東京で新作展示

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 「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」が5月18日より、1960年代のメディアアートのパイオニアとして知られるドイツ人アーティストThomas Bayrle(トーマス・バイルレ)のエキシビション「Monuments of Traffic(交通のモニュメント)」をエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催する。本展のために制作したという新作「Conducteur(指揮者)」をはじめ、既存の作品や1970年代の東京を自身で撮影したモノクロ写真のコラージュを、トーマス・バイルレ自身がキュレーションした。会期は9月1日まで。

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 1937年にベルリンで生まれたトーマス・バイルレは、織工としてキャリアをスタート。30年以上にわたりフランクフルトのシュテーデル美術大学で教鞭をとり、1960年代以降はオブジェやグラフィックス、デッサン、コラージュ、映画、サウンド・インスタレーションを含む多数の作品群を創作してきた。2012年には「ドクメンタ(13)」でアーノルト・ボーデ賞を受賞している。

 「Monuments of Traffic」でトーマス・バイルレが目指したのは、都会の雑踏と喧騒の中であえて密閉されたミニマルなインスタレーションを創り出すこと。会場の中央には、同作の為に特別に制作されたアウディ―社製のワイパーを使用した「Conducteur(指揮者)」が設置され、その前には2012年に「ドクメンタ(13)」でアーノルト・ボーデ賞を受賞したボール紙製の巨大作品「Carmageddon(カーマゲドン)」の一部が配されている。壁には、同様のボール紙製のグリッドにスイスの3つの山の風景をプリントした構図や、激しく大破した形の歪んだ自動車道とひしゃげられた廃車の残骸オブジェを展示。会場には映像作品「Sunbeam」の上映によって時折中断されながらも、エリック・サティが1917年に作曲した「家具の音楽」と車のワイパーの原音によるミニマル・ミュージックのコラージュが響き渡っている。

 写真のコラージュは、トーマス・バイルレに影響を与えたという1970年代の東京の風景。当時の新宿の風景や、今でも交遊のあるYMOのメンバーらが映っている。開催に合わせて来日したトーマス・バイルレは、1970年代の東京に訪れた時を振り返り、「本展は35年前の東京のメタファーでもある。昔とは違って、東京は洗練されて美しくなったが、今でもインスピレーションがたくさん詰まった素敵な街だ」と話している。

■Monuments of Traffic
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
   〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道ビル 7 階 電話: 03-5766-1094
開館時間:12:00‐20:00
休館日:無休
入場料:無料
会期:2013年5月18日(土)〜9月1日(日)