大相撲夏場所が、5月12日から東京・両国国技館で始まっている。優勝争いは今場所もまた、白鵬、日馬富士の両横綱が中心になることは間違いないが、ぜひその中に割って入ってほしい日本人大関の1人、琴奨菊(29)が場所前、引退後に備えて年寄株『秀ノ山』を取得したことがわかった。
 「秀ノ山は、琴奨菊が所属する佐渡ケ嶽部屋の先輩、元関脇長谷川の持ち物。現在は元関脇琴錦が借りています。江戸時代に活躍した元横綱秀ノ山、出羽一門の知恵袋といわれた早大出身の異色力士、元関脇笠置山らも襲名した由緒ある年寄株です。これで琴奨菊は将来、親方として相撲協会に残る保障を得たことになり、後顧の憂いなく土俵に打ち込むことができる。本人も『これで壊れるまでやっても心配ないので、思い切ってやる』と張り切っていますよ」(担当記者)

 現役では、すでに稀勢の里が『荒磯』、若の里が『西岩』などを入手している。ただ、まわりを見渡せば白鵬、日馬富士の両横綱を筆頭に、鶴竜、琴欧洲、把瑠都ら外国人力士は、誰ひとり襲名条件の日本に帰化する動きも、年寄株を入手する気配も見せていない。つまり、たとえ24回優勝の白鵬でも、今トラブルを起こして引退に追い込まれたら、たちまち大相撲界から離れなければいけないのだ。
 「彼らも、引退後は相撲協会に残って親方になりたいという意向を持っている。白鵬の師匠、宮城野親方(元幕内竹葉山)はすでに、『引退したら白鵬に部屋を譲る。ウチは将来、白鵬部屋だ』と明言しています。でも、そうする前にまず日本国籍を取らなければいけない。このことについて白鵬の周囲は、『父がモンゴル相撲の大横綱。その息子もモンゴルに残ると、みんな思っているので、なかなか帰化のタイミングが難しい』と話しています」(協会関係者)

 ある意味、退路を断って土俵に上がる彼らとは対照的に、日本人力士たちの将来は早々と安泰。勝負の最大のエネルギーはハングリーさである以上、もう7年以上も日本人力士の幕内優勝者が出ていないのは、無理もないことかもしれない。