「建築学概論」のイ・ヨンジュ監督

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韓国全土に“初恋ブーム”を巻き起こし、観客動員410万人を記録した「建築学概論」が、5月18日から公開される。日本の観客の反応が楽しみと笑顔で語るイ・ヨンジュ監督に、作品へ込めた思いを聞いた。

本作は、建築士であるスンミン(オム・テウン)の前に、大学時代の初恋の相手だった女性ソヨン(ハン・ガイン)が15年ぶりに現れる場面から始まる。家を建ててほしいと頼まれたスンミン。複雑な思いを抱きながらも依頼を引き受けるが、過去の記憶をたどるうちに淡い恋心を思い出していく。現在の家を建てる過程と、初恋の思い出の回想とで描かれる、大人の恋愛ドラマだ。

作品のテーマに選んだ初恋について、イ・ヨンジュ監督は「私は中高ずっと男子校で、大学で女性と初めて接しました。大学で初めて経験したものにはお酒やタバコもありましたが、それらと同じように、初恋というものは自分の世界を広げ、成長させてくれるものだったと感じています。きっと、多くの人にとってもそれは同じだと思うのです。だから、初恋は“大人になるための段階のひとつ”だと考えていますね」と、実体験を交えつつ語る。

映画の内容と一見結びつきにくい題名については、「初稿を書き上げた時からこのタイトルに決めていました。周りによくないと散々言われたので、いずれ変えるつもりだったんです。だけどミョンフィルム(製作会社)の方に『面白いじゃないか』と言っていただいて、結局そのままに。意外性があるので1度で覚えてくれる人が多いのはよかったですね。その意外性が相乗効果ももたらしたとも感じます」と思い入れを明かした。

劇中には、90年代の風景も多く登場する。演出で意識した点について、「効果的に90年代を描写するために、小道具はひとつひとつ私が細かくチェックしました。一目で印象に残るものも必要だと考えたので、あえてヘアムースを登場させたり、スンミンの親友役の衣装なども特に意識しました」と語る。苦労した点は「現代の車が映らないように通行規制をしたこと」と述べ、「道路標識も非常に多かったため苦労しました。CGで消そうと思ったのですが、消しきれないくらい多くて。目立たないように撮りましたが、細かく映画を見たら気づくかもしれない(笑)。今のところ気づいたという声は届いてないですが、監督の立場としては完ぺきに仕上げたかった部分ですね」と話した。

イ・ヨンジュ監督は、建築家として10 年のキャリアも持つ。物語の柱である“建築と人との関係”について質問をすると、「家はその人自身を投影するものだと考えています。住む人の好みや人柄が敏感に伝達し、またそれを発信する」と持論を展開。さらに「国の玄関である空港も同じ。建築物としての空港は、国力や国の空気を写し出す」と話題を展開、建築学への造詣の深さをうかがわせながら、本作への思いを語った。

「建築学概論」は5月18日から全国で公開。

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