成人で1日1個まで!? 青森県には、大人のための「ドラキュラアイス」がある

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かつてロッテが「ドラキュラアイス」と呼ばれた真っ黒なアイス「クロキュラー」を発売していたが(近年復刻)、東北の「ドラキュラアイス」はもっとすごい。キリストのお墓(?)があることで知られる青森県新郷村の名産アイス。その名の由来は、ドラキュラが大の苦手なにんにくが入っていること。成人で1日1個まで! 滋養強壮に良い大人のアイスだ。

青森県の新郷(しんごう)という村をご存知だろうか。十和田湖の東に位置し、西は秋田県との県境に位置する三戸郡の唯一の村だが、キリストの墓伝説、ヘブライにまつわる伝承、謎のピラミッドなどなど、不思議な伝承や遺跡の多い神秘の村として知られている。

「キリストの墓伝説」とは、キリストが眠る墓が戸来村(現在の新郷村)にあるという伝承だ。ゴルゴタの丘で磔(はりつけ)にされたイエス・キリストは、実はキリストの弟のイスキリであり、本物のキリストはひそかに日本に渡来して天寿をまっとう。その墓がこの地にあるというものだ (もっとも、『青森県百科事典』によると、それは江戸時代の農民の墓とされるのだが……)。

このキリストの墓の伝承は、昭和10年(1935)に竹内巨麿(きよまろ)という宗教家が唱えたのがその始まりである。その信憑性はともかくとして、新郷村も村おこしに「キリストの里伝承館」なる資料館を建て、竹内巨麿の『竹内文書』の写本やキリストの遺書といった関連資料を展示している。

戦後になると毎年「キリスト祭」が開催されるようになり、2004年の第41回「キリスト祭」には駐日イスラエル大使が出席し、エルサレム・ストーン(エルサレム市街の建築物外壁に使われる白い石灰岩)を寄贈したほどである。

「キリスト絡みの観光客は年間1万2,000人ほどおります。うち3分の1は外国人です」(新郷村ふるさと活性化公社・田沢匡輝さん)。

ちなみに、2013年のキリスト祭は6月2日の9時30分〜12時30分に開催される(毎年6月の第一日曜日開催)。神官による祝詞奏上、玉串奉奠、獅子舞・ナニャドヤラ(この地方に伝わる盆踊り)の奉納という形式の慰霊祭も執り行われるとのこと。一生に一度は見ておきたい奇祭だ。

このほか、新郷村にはヘブライにまつわる様々な言い伝えや、太陽石、星座石、方位石、鏡石で構成される大石神ピラミッドなどもあり、町の道路標識にも「キリストの墓」「ピラミッド」などの表示があって訪れた人を驚かせている。

にんにく入りのアイスクリーム「ドラキュラ・ザ・プレミアム」は、この“神秘の村”新郷村で生まれた地元の名産品である。

「新郷村は青森県の酪農の発祥地であり、平成7年(1995)には体験型農園「間木の平グリーンファーム」をオープンしました。その敷地内に乳製品工場があり、そこで牛乳、飲むヨーグルト、アイスクリームなどを製造しています」(田沢さん)。

青森県は全国一のにんにくの産地だが、新郷村も年間400トンの収穫を誇る。そこで乳製品ににんにくを使用したらどうだろうということで、にんにく入りのアイスクリームが開発されたということらしい。

「にんにくは味・匂いが強いので、無味無臭のパウダー(新郷村産ではないそう)を使い、『にんにくアイスクリーム』の名で販売しました。当初は珍しさもあって好評でしたが、だんだん売れなくなりまして……」(田沢さん)。

そこで着目されたのが、新郷村の名を全国に知らしめているキリストにまつわる村の伝承である。

「キリストの墓の十字架とにんにくからは、ドラキュラが連想されますよね(両方ともドラキュラの苦手とするもの)。そこでアイスクリームを『ドラキュラ・ザ・プレミアム』と名前を変え、パッケージも黒にしてリニューアルしたんです」(田沢さん)。

味はペパーミント、フルーツ、バニラとバラエティも多彩。「全国アイスクリーム博覧会」では売り上げベスト5に。販売も青森県南部の道の駅や県内のデパート、通販などに広がっている。にんにくの匂いがしないのは前記した通りだが、面白いのは「成人1日1個」と表示されていること。にんにくの含有量はアイス1個当たり、にんにく半玉分(3欠片)ほどになるそうで、滋養強壮に効果あり!?

「『成人1日1個』は、面白いと思ってシャレのつもりで表示しているものです。ただ、私見ですが、食べ過ぎると胸焼けがしますので、あながちウソの表示というわけでもないと思います」(田沢さん)。

うなぎパウダーをパイ地に練り込んだ浜松名物「うなぎパイ」が“夜のお菓子”なら、新郷村のにんにくアイス「ドラキュラ・ザ・プレミアム」はさながら“夜のアイス”? あなたも是非お試しあれ。