中国の13年の大卒就職、過去最高の厳しさ--1月内定率は38%、一方”閃辞族”も

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労働政策研究・研修機構(以下、JILPT)はこのほど、中国の大学生の就職状況に関するレポートを発表した。それによると、2013年の新規大学卒業者の就職市場は大変厳しい状況で、「過去最も厳しい年になる」との見方もあるとしている。

現地の大手労働市場調査会社「Mycos(麦可思)」によると、2013年1月時点における就職内定率は38%で、前年同期比を8%下回ったことが判明。さらに、この他の調査でも軒並み前年より低い数値が出ているという。

JILPTのレポートは、大学卒業者の就職率が低調な理由について「国有企業での採用減少、大学生の人数増加、公務員試験制度改革、欧州を中心とする低調な海外経済の影響を受けた民間企業での採用減など諸要因が重なっている」と分析。国有企業では、世界経済先行きの不透明さを踏まえ、採用を抑制しており、山西省のある国有企業は、大学卒業者の募集人数を昨年の700人から500人に減らしたという。

また、大学生の人数が近年急増しており、2013年の大学卒業者数は過去最高の約700万人に達すると予測されている。それだけ求職中の学生は厳しい状況に置かれていると考えられる。

公務員採用試験制度改革の影響を見ると、従来は殆どの職種で大学卒業後すぐに就職できたが、制度改革により、多くの職種で2年以上の社会人経験や西部地域・農村地域でのボランティア経験が必要になったという。そのため、大学卒業直後に公務員に就職することは、ごく一部の研究職などを除いてほぼ不可能となり、代わりに民間企業への就職希望者が増加したと説明している。

加えて、欧州地域での経済停滞を受け、輸出産業を中心に業績が低迷する状況にあり、これが求人状況を悪化させている。同レポートは「仮に求人があったとしても、慢性的なインフレにも関わらず、給与水準が前年入社者の当時の給与水準と差異がないような状況も、散見されつつある」と報告している。

同レポートは、現在、労働市場に参入しつつある1990年代生まれの若者の意識について、「かつての若年層とは異なる傾向が見られる」と指摘。それによると、70年代生まれは就職の際、一般的に「高収入・手厚い福利厚生」を重視する傾向にあったという。

一方、中国が著しい経済成長を達成した時期に多感な時代を過ごした90年代生まれは、「就職に際して『キャリアアップできる環境、自由度の高い就労、お互いを尊重する関係』を重視する傾向にあると言われている。(中略)たとえ無事に就職できたとしても『閃辞族』(閃くような早さで辞職する若年者)としてすぐに転職したり、あるいは大学卒業後に国外に活路を求め、日本を含む海外ですぐに働き出す者も多い」と解説している。