最近のJ-REIT市場の動きについて

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J-REIT市場が軟調な展開となっています。J-REIT全体の値動きを示す東証REIT指数は、3月27日の1,700.91ポイントから5月15日の1,376.96ポイントまで、約20%の下落となりました。

この主な要因としては、最近の国債利回りの上昇によって、(1)保有債券価格の下落による損失などから、金融機関を中心にREITの利益確定の売りがでていること、(2)REITの分配金利回りの優位性が相対的に低下したこと、などが挙げられます。また、心理的な面で市場参加者のサポート要因となっていた日銀によるJ-REITの買い入れ枠の残り額が少なくなっていることなども影響しているとみられます。

今後も短期的には債券市場の不安定な動きに影響される可能性はありますが、日銀による金融緩和の目的は金利の低下であり、今後、長期国債の買い入れオペなど緩和政策を実施していくことで、国内の長期金利の上昇は抑制されていくものと考えられます。また、REITは本来、インフレや金利上昇に強い資産とされており、過去には保有不動産の理論売却価値に連動するような動きとなっていました。そのため、債券市場の安定化に加え、不動産価格や賃料の上昇が明確になってくるようであれば、再び上昇基調を取り戻す動きになるものと考えられます。

なお、中長期的な視点では、不動産市況およびJ-REITのファンダメンタルズが根本的に揺らいでいるわけではない点に注目する必要がありそうです。東京のオフィス需要は堅調で、すでに都心3区では優良物件を中心にオフィスの成約賃料が上昇しているほか、東京23区では、2013年にオフィスビルの供給が前年3分の1程度に減ることから、オフィスの空室率の低下が見込まれています。こうした環境は、オフィス系REITの割合が大きいJ-REITにとっては追い風であり、中長期的にJ-REITの収益の安定に寄与するとみられます。

(※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

(2013年5月16日 日興アセットマネジメント作成)

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