ニコールさん(左から2番目)はアドバイザーに相談。他の3人は自分で運用方針を決めていた。(撮影:竹川美奈子)

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 前回、英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)制度について説明した。

 一般の人にこれだけ普及した要因として、金融関係者からは「1999年にISAが導入された当初は人気が低かったが、長年かけて制度が簡素化され、シンプルなものになり、拠出額も増えていった」「株式型、預金型の2種類あること、インフレに応じて拠出額が変動すること、そして、制度が恒久化したことで拡大した」という指摘があった。

利用目的は「老後に向けた資産形成」だけではなかった

 では、実際に、個人はISAをどのように活用しているのだろうか。ロンドンでISA利用者に話を聞く機会があった。話をうかがったのは11人、そのうち女性は1名だった。

 たとえば、クリスマルさん(男性・30代前半)は「最初は知人に勧められてCash ISA(預金型ISA)から始めて、株式型ISAにも広げていった。税制優遇があること、引き出しが自由なことが魅力」だという。

 この「税制優遇」と「引き出し自由」というのはISAを使う目的・メリットとして多くの人が挙げていた。確定拠出年金(DC)のように引き出し制限がないため、気軽に始めることができるし、いろんな用途に利用することができるからだ(英国の場合、DCは原則55歳まで引き出し不可)。

 それ以外の人にも、ISAを利用する目的・理由について聞いてみた。

「退職後の年金として利用したいと考えている」(スペンサーさん、30歳、男性)

「Cash ISA(預金型ISA)は限度額いっぱいまで利用している。こちらは休暇用の資金や住宅取得など、短期的な目的のため。株式型ISAは子供のため、退職後のためといった長期的な視点で投資をしている。こちらはほとんど引き出さない」(ニコールさん、女性)

「特に決まった用途はない。物価も上がっていくし、税制優遇のメリットを大きくしたいから」(ドミニクさん、男性・41歳)など、その答えはさまざまだった。

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