宇都宮・浜松の餃子バトルに割って入る、三重県津市の餃子は規格外だった!

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ご当地グルメの餃子と言えば、大定番が宇都宮。そして対抗馬が浜松といったところだ。この2大巨頭がしのぎを削る餃子業界で、三重県津市から強烈なニューカマーが殴り込みをかけてきた。そう、「津ぎょうざ」である。

宇都宮にしろ浜松にしろ、ご当地グルメとは言え「餃子」は完成された料理なので差別化が難しい。しかし、ルックスで言えば、この「津ぎょうざ」の個性は群を抜いている。まずは現物を見てほしい。長さは優に15cmはある。普通の餃子と比べれば、その規格外のサイズは一目瞭然。巨大なのだ。

そんな「津ぎょうざ」のルーツは、何と学校給食。津市内の業界で組織されている「津ぎょうざ協会」によると、津市教育委員会の栄養士さんによって考案され、昭和60年(1985)頃から給食で提供されているそうだ。

学校給食はとにかくスピーディーに大量に作れる料理じゃないとダメだ。ましてやひとり何個も必要な餃子を手包みするなんて絶対にアウト! しかしある時、コロンブスの卵的なすばらしい発想がひらめいたのだという。「だったら、デカイ餃子をひとつ作ればいいじゃん」。調理器具の関係で大きな餃子をまとめて焼くことは難しかったので、揚げ餃子にしたのだという。手間の面でも揚げ物はラクだということもあったのだろう。

とは言えこの「津ぎょうざ」、つい5年前までは知られざるご当地グルメだった。ほぼ学校給食だけで提供され、一般の目に触れる食べ物ではなかったのだ。

しかし2008年のこと。実際に給食用の皮を作っている食品メーカーなどが協力して、秋の津まつりで一般販売を敢行してみたところ、これが大成功! 津のご当地グルメとして一気に認知度が高まった。2013年現在、津市内の20ほどの飲食店で「津ぎょうざ」を取り扱うまでに拡大した。

手軽なところでは高速道路のパーキングにあるスナックコーナーでも食べられる。しかしどうせなら揚げたてアツアツを食べたい! というわけで向かったのは、伊勢自動車道芸濃ICからクルマで5分ほどの場所にある「氷花餃子 高野尾店」。

ここは店名のとおり餃子が名物の中華料理店で、「津ぎょうざ」もプッシュしている。実際に目にした「津ぎょうざ」(1個280円)は、やっぱり一言で言って、デカい。ちょっと比較のため普通の餃子もオーダーし、横においてみよう。やっぱり「なんだこりゃ!」のサイズだ。

実測すると長さ15cmにはわずかに届かない。考えてみたら皮の直径が15cmということだから、成形して揚げたら多少サイズダウンするのは致し方ないところだろう。シッカリと揚げられているものの、そのサイズゆえホールド感は弱い。しかし、箸で持ち上げても型崩れしない。これが同じサイズの焼き餃子や水餃子だったら、箸で持ち上げただけでちょっとした惨事が待っているかも。

肝腎の味はというと、奇をてらうことない正統な揚げ餃子といった印象だった。揚げたてアツアツな皮をバリバリ破ると、中から湯気を出したあんが顔を出す。豚肉とたっぷり野菜のうまみが詰まっていて、素直に餃子として楽しめる。まっすぐに、ストレートに、おいしい逸品だ。

この「津ぎょうざ」。定義は「直径15センチの皮を使用すること」「揚げ餃子であること」の2点だという。つまり中身はいろいろ工夫できる。実際、イベントでの販売ではデザートを包んだり、もんじゃ焼きを包んだ津ぎょうざも買えるそうだ。

学校給食から生まれた絶妙なご当地グルメ「津ぎょうざ」。該当エリアへ旅される際は、是非お試しあれ。