今年の流行色ってだれが決めているの?

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ファッションの流行は人の気持ちや思いが作るものでもありますが、前もってわからなければ、トレンドの商品が作れませんよね。

実はトレンドカラー(流行色)は、その年のライフスタイルを予測した専門家集団が決めているのです。まるで占いみたいな話ですが、どうやってトレンドを決めているのでしょうか? 季刊「流行色」の編集長を務める、一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)の大野礼子さんにうかがいました。

――流行色を決めている人たちがいるというのは、とても不思議な気がします。何だか、色のCIAみたいですよね?

「カラーマフィアと呼ばれることもありますね(笑)」

――そうなんですか(笑)。では、早速ですが、どうやって流行色が決められるか教えてください。

「世界14か国が参加している『インターカラー(国際流行色委員会)』の動向が大きいです。そこでは実シーズンの2年前からトレンドカラーを検討する会議を行っています。1963年に発足した団体で、JAFCAも第1回から参加しているんですよ」

――インターカラーが「今年はオレンジ」「来年は緑」と流行色を決めているということなのでしょうか?

「いいえ、その時点では特定の1色ではなく、カラーの大きな方向性を決めるという感じです。みんなが次の時代に共感できるカラーの世界観を、写真などのヴィジュアルイメージとカラーで表現したものが幾つか提案されるという形です。

それをJAFCAが日本に持ち帰り、実シーズンの1年半前に、アパレルメーカー、自動車メーカーなどから集まった専門委員と一緒に、国内市場向けカラー(JAFCAカラー)を選定します。また、実シーズンの1年半〜1年前に、世界各国で素材の展示会が開催されます。

日本ではそれらの情報を踏まえて、実シーズンの1年前に各メーカーが商品企画をはじめ、その後、みなさんも御存じのデザイナーズコレクションが世界で開催されるのです」

――そのときに流行色が初めてわかるのですね?

「はい。実シーズンの半年前にデザイナーコレクションが開かれた頃から、新聞、雑誌、WEBなどのマスコミでその動向をみて『今年はイエロー』といったように、絞り込んだカラーの情報となって発信されます」

――専門家集団が提案している流行色は、「赤」「黒」「白」などと単純化されたものではなく、カラーイメージの集合体ということなのですね?

「そうです。ですから、例えば、私たちが『黒』がはやると考えるとき、『黒』がイメージされる背景に注目しています。同じ『黒』でも、今はやっている『黒』と10年前に流行った『黒』は異なるのです」

――いざ流行色を決めたものの、はずれることはないのでしょうか?

「世界が欲しているムードを『色』として目に見えるようにしているだけなので、当たるとかはずれるとかはありません。『流行の色を決められるとコントロールされるようで嫌だ』と言われてしまうこともあるのですが、コントロールするというよりは、すぐ先にあるのに、みんなが気づいていないものをいち早く発見して、提示している感じです」

――今、はやっている色は、どんな気持ちをリードしているのですか?

「ここ数年のきれいで明るい色は、『明るい気持ちで生きていきたい』『人とつながりたい』というムードを表現していると思います。元々その傾向はあったのですが、震災の影響も否定できません」

――流行色を身に着けることは、ビジネスや恋愛にも役立つのでしょうか?

「流行色とは、まだみんなが自覚していないけれど、心では欲しがっている色。ですから、流行色を身に着ければ、ビジネスでも恋愛でも、相手からの好感度はあがると思いますよ」

――ちなみに、2013年春夏はどんな色がはやりますか?

「昨年春夏はパステル調の優しい色が多かったのですが、もっとビビッドな色が出てきそうです。また、それらの色をひきたててくれるような白や黒もはやるでしょう。ネオンカラー(蛍光色)や光沢感などは引き続きはやると思います」

流行色を意識すると、街を歩くのが楽しくなりそうですね。大野さん、どうもありがとうございました!

取材協力:一般社団法人日本流行色協会

(OFFICE-SANGA 臼村さおり)