空いた時間の使い道としてのSNSやゲームに期待

 アベノミクスによって株価が上がり、企業業績も回復。減り続けていた従業員の収入も増え、国内の消費もアップし、好景気へ……とは、簡単にいきそうにないのが今後の見通し。最もネックと言われているのが従業員の収入の部分だ。やわらかな経済解説に定評がある保田隆明氏が説明する。

「今、言われているのは企業が利益を出してもそれを内部留保などに回し、従業員には還元しないのではないかという見方。いわゆる可処分所得が増えるまでにはまだまだ時間がかかると思います」

 可処分所得とは、給与やボーナスから税金や社会保険料などを差し引いた、いわゆる手取り収入のこと。個人が自由に使えるお金が増え、景気回復が実感できるようになるかは経営者の裁量によるところも大きいわけだ。その一方で増え続けているのが?可処分時間?と呼ばれるもの。個人の裁量で自由に使える時間のことを指す。

「業務の効率化や残業禁止などの影響で、サラリーマンの可処分時間はどんどん増えています。すでに、この時間の使い道として新たな消費構造が生まれており、今後も伸び続けると思います」

◆スマホ関連の需要ではメーカーよりもキャリア◆

 その可処分時間の使い方として、最近増えているのがスマートフォン。特にSNSやソーシャルゲームに時間を割く人が多い。

「いずれも低コストで始められますので、利用者の裾野は中高年へも広がっていくでしょう。ソーシャルゲームではDeNA、グリーの2強に加えて、会員数を急速に増やしているモブキャストも有望だと思います。SNS関連での国内上場銘柄はまだ少ないのですが、アメブロだけでなく、多方面に事業を拡大しているサイバーエージェントは期待できるのではないでしょうか」

 また、ガラケーからスマホへの買い替え需要もまだまだ旺盛と見ているが、狙い目はNTTドコモ。

「メーカーよりもキャリアのほうが安定収入を得られるので、期待できます。ドコモは、『iPhone』で業績を拡大したソフトバンクやKDDIに比べて出遅れ感もあり、今後の『iPhone』導入で飛躍的に、なくてもタブレットなどに伸びしろがあります」

 増えるかどうかもわからない可処分所得に期待するのではなく、可処分時間で投資の研究をし、自ら収入を増やすことも必要なのか。

表

※表の掲載は企業コード順。株価は2月4日時点のもの。

保田隆明

保田隆明
■やわらか系エコノミスト

小樽商科大学大学院(MBA)准教授。1974年生まれ。リーマン・ブラザーズ証券などでM&A、資金調達アドバイザリーの経験も。TVや雑誌での経済に関するやわらかな解説が人気。