日本のTPP参加でワールドマネー大流入!
反対派の「農業」に政府は最上級の支援!

小泉政権下で株価が上がったのは、郵政民営化を断行して既存の枠組みを?ぶっ壊した〞から。TPP参加表明で農業を一から作り直すという安倍首相の決意が世界の投資マネーを呼び込む契機になる。

反対派懐柔!?農業がTPPの目玉になる
3月15日、ついに安倍首相が表明したTPP(環太平洋戦略的経済提携協定)交渉への参加。

今後、日本は米国、豪州などすでに締結協議を行なっている11カ国とともに7〜9月の拡大交渉会合に参加する予定。そして、年内にはモノやサービス、投資や人の移動に対する関税や非関税障壁を100%撤廃して自由貿易を促進するための枠組みがいよいよ決まりそうだ。「これまでのアベノミクス相場といえば、金融緩和と財政出動で潤う金融・不動産株、円安輸出関連、建設株が相場の主役でした。しかし、アベノミクス第3の矢である成長戦略がしっかり打ち出されない限り、経済の持続的な発展や、それに伴う株価のさらなる上昇は容易ではありません。そのための重要な試金石のひとつがTPPでしょう」と語るのは、大和証券投資戦略部の高橋卓也さん。

むろん、日本国内には農業や医療分野を中心に、強力な反対の声があるのも事実。ただし、抵抗勢力がいるからこそ、彼らの猛批判を浴びないように、政府は手厚い支援策を用意して規制緩和や新産業の育成に本腰を入れることが予想される。ある意味、火中の栗ともいえる農業こそTPPの主力テーマなのだ。「TPPを起爆剤にして農地の集約化や企業による農業ビジネス参入が推進されれば、チャンスを求めて企業や投資マネーが農業分野に流入すると思われます」(高橋さん)

そうなると、アジアにも広く商圏を拡大する農機のクボタや井関農機、世界有数の穀物メジャー、ガビロンを買収した丸紅、種子・農薬・肥料のカネコ種苗、クミアイ化学工業、日産化学工業などが浮上してくる。

TPPには、日本のコメ、米国の自動車など、自国産業を保護するための例外品目という抜け道が用意されている。しかし、これまで多額の関税がかけられていたモノや製品を扱う産業の収益構造は、輸入・輸出セクターともにTPPで大きく改善するはず。「輸出では米国で25%の高額関税がかけられているトラックのいすゞ自動車や日野自動車、輸入では252%という高額関税の小麦を原材料に使う山崎製パンや日清食品ホールディングスといった食品メーカーがTPPで恩恵を受けるでしょう」と高橋さん。

そのほかTPPによる貿易量拡大で潤う物流・倉庫業者、知的財産保護で収益力アップが期待できるゲームや映画会社などもTPP関連の一角。

ポリエステルからチーズ、農業から最先端混合診療まで、幅広い関連銘柄があるTPPは、アベノミクス相場のさらなる飛躍に必要不可欠なテーマといえる。なでも「強硬な反対派がいる農業ビジネス関連にこそお宝株あり!」といった逆転の発想で銘柄選別するのが賢明といえそうだ。



高橋卓也(たかはし・たくや)
大和証券 投資戦略部

1991年、大和総研に入社。小売業中心の証券アナリストなどを経て、現職。アベノミクス株を徹底追求中!



この記事は「WEBネットマネー2013年6月号」に掲載されたものです。