ネット書店におけるステマと本物の書評は見分けられるのか?

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ネットで本を購入するのは、もはや当たり前のこと。利用するときに、書評を読む人は多いのではないでしょうか。けれども、星1つと星5つが並存しているのを見かけることも多いです。個人差と言えばそれまでですが、混乱しますよね。星5つばかりでもステマではないかと不安になります。

そこで今回は、参考になる書評とステマの見分け方や、どういう人が書評を書いているのかという点について、書評サイト「spiritual book」を運営しているmisaさんに教えてもらいました。

――アマゾンなどのネット書店には、書評がいっぱい載っていますよね。本を買うとき参考にした方がいいのですか?

「ひとつの指標としては参考になると思います。面白い本はすすめたくなるものなので、多くのレビューが投稿されていることが多いのです。けれども、レビューは個人の主観による自由な感想であって、何か基準のある中立な判定とは違うので、最後はご自分の直観で判断した方が良いと思います」

――レビューのつかない本は、あまり面白くないということなのでしょうか?

「あまり多くの人に読まれないジャンルの本もありますので、一概には言えません。けれども、面白くなかったり、価格の割に得られるものがなかったと感じる場合、わざわざレビューを書き込む人は少ないと思います。

その意味では、少なくとも、レビュー数が多いものは、一定の支持を得ていることが多いのではないでしょうか。書評サイトについても同じことが言えます」

――本によっては、賞賛と批判の両方の評価が投稿されているものもあるのですが……。

「賛否が分かれやすいジャンルの本もありますね。特に、心理・哲学系などは、その傾向が強いかもしれません。ある人にとってはイマイチな本でも、別の人にとっては得がたい一行が書かれている場合もあります。多数の絶賛に対応して批評が投じられる感もあって、賞賛と批判が混在している方が多様な考えを知ることができて、興味深く思います」

――ほめるレビューが並んでいても、ステマの可能性とかはないのですか?

「『出版直後なのに多くの絶賛レビューが投じられている』、『レアなジャンルの本なのにレビューが数多くある』、『その絶賛の投稿以外の本にはレビューがないものが並んでいる』などは、ステマである可能性も否定しきれません」

――どうすれば見分けられるのですか?

「友人や知人、身内の『応援したい気持ち』と、『純粋な感想』との境目を判断するのは難しいですよね。けれども、本の実力ではない不自然なレビューが多い場合は、時間がたてば批評や反対票が投じられて、判断材料が増えてきます。

発売から間もない本で疑わしいと感じるものは、当該レビューを書いている人のほかの本へのレビューを参考にしたり、絶賛票を全体から少し差し引いて考えてはどうかと思います」

――misaさんは、アマゾンなどのネット書店のレビューに価値があると思いますか?

「一括して複数の意見が読めるというサイトの利便性からしても、匿名で、ステマ問題も絡むとはいえ、活用する価値はあると思います。あくまでいち個人の感想だということを踏まえても、やはり、購入した読者の生の声を知ることができる利点は大きいと思います」

――最後にメッセージをお願いいたします。

「それぞれの経験や知識、趣味嗜好によって、『何がその人に感動や新しい知識をもたらすか?』というのは異なります。レビューだけで、本との相性はわからないかもしれません。

けれども、レビューを読んで購入を迷うということは、少しは興味がある証拠でもありますよね。うまく利用して、極力トライしてみてはどうでしょうか? もしかしたら、すばらしい一行に出会えるかもしれませんよ」

取材協力:書評サイト「spiritual book スピリチュアル本」

(OFFICE-SANGA 臼村さおり)