長崎を舞台に人々の再生を描く『爆心 長崎の空』の完成披露試写会が開催!

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青来有一の小説を映画化した『爆心 長崎の空』(7月20日公開)の完成披露試写会が5月14日にスペースFS汐留で開催され、北乃きい、稲森いずみ、柳楽優弥、宮下順子、日向寺太郎監督が登壇。主題歌を担当する小柳ゆきも駆けつけて生歌を披露すると、北乃は「すごい!撮影が終わってだいぶ経つけれど、一瞬にして役柄の気持ちに戻った」と感激の言葉を語った。

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本作は芥川賞作家であり現・長崎原爆資料館館長を務める青来有一の連作短編小説「爆心」をもとに、母を亡くした子と、子を亡くした母のふたりの物語を1本の糸を紡ぐように構成。人々が新しい一歩へと踏み出す姿を描く感動の物語だ。メガホンを取った日向寺監督は「私は仙台出身なのですが、本作の脚本に取り掛かっているうちに、3.11を迎えた。それからは、3.11以降に描くのはどのような映画なのかと考えて作った」と作品への思いを吐露。続けて、「長崎の人は本当に優しい。その優しさは、長崎の土地の記憶から生まれていると思った。その気持ちをもとに“人を信じる”という映画を作った」と真摯な思いを明かしてくれた。

主人公・清水役を演じる北乃は「私が演じた役は被爆三世の役。でもそれを気にせず、日々の生活を送っている普通の女の子。改めて“普通”を演じることの難しさに気付いた」と役作りを振り返り、「この映画の淡々としたテンポと、リアルな人々を見ると、まるでドキュメンタリーを見ているよう。同世代の人たちにも同じように感じてほしい」とコメント。柳楽も「戦争によってできた傷跡を僕らの世代も忘れてはいけないと思った」と若い世代を代表する言葉を語ってくれた。

幼い娘を亡くした母・砂織役を演じた稲森はこう語った。「悲しいことが起きて、悩んで落ちていく役。そういう精神状態の人が、どのように日常を送っているのか、どのように進んでいこうとするのかを考えて大切に演じた」。宮下も「『多くの人に助けられて、ここまで生きながらえた』というセリフがあって、そういう気持ちを大事にした」と話すなど、それぞれが命の物語に心を込めた様子が伝わってきた。

また、本作のために詞を書き下ろした主題歌「ひまわり」を披露、パワフルな歌声で会場を魅了したのが小柳だ。小柳は「ひまわりのようにしっかりと大地に根ざし、太陽に向かって上を見て生きていけたら良い」と歌に込めた思いを告白。北乃は「この映画もこの歌も、その時々で感じ方が違ってくる。どういう心情の時にも当てはまるものがあると思う」と生歌に圧倒された様子で、映画への思いを新たにしていた。【取材・文/成田おり枝】