高知県の廃校跡地には、3,000以上ものフィギュアをそろえた玩具の館がある

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アニメやコミックのキャラクターグッズ、フィギュア、模型などが数多く見られる場所といえば、真っ先に思い浮かぶのはやはり秋葉原、そして中野ブロードウェイといったところだろう。しかし、秋葉原でも中野でもない場所に、3,000点以上ものフィギュアなどを展示するホビー博物館が存在するのをご存知だろうか。

その博物館とは海洋堂ホビー館四万十。東京・秋葉原や中野でないどころか、高知県四万十町は打井川(うついがわ)という、高知市内からでも車で1時間半はかかる山間部に位置している。

海洋堂は、もともと大阪府守口市にて昭和39年(1964)にスタートしたホビーショップだが、昭和57年(1982)からはオリジナル商品の開発・製造をスタート。食玩を中心にカプセルトイやフィギュア、模型などこれまでに2,000種以上の製品を世に送り出している企業である。

そんな企業の歴史とコレクションの集大成とも言える博物館の建設が、どうしてまたそのような土地に決定したのだろうか?

この施設は、廃校になった四万十町・打井川小学校の体育館や校舎が活用されている。つまり、自治体もこの設立に大いに協力しており、「海洋堂ホビー館四万十」は四万十町と海洋堂のコラボプロジェクトとなっているのだ。公共の組織として日本全国のどこよりも早く、オタク文化の施設の誘致に名乗りを上げたのが四万十町だったというわけだ。

そんな自治体の理解や積極的な姿勢に加え、同施設の館長である海洋堂社長・宮脇修一氏は、この地に同施設を建てる意義をこう語っている。

「(このミュージアムが)オタクの聖地・秋葉原ではなく、四国、高知の四万十町にできることは、常日頃とても便利な都会に生活している方々にとって、わざわざ不便な場所に足をのばして見に行くという“非日常を感じる”イベントとなる」。

こうした経緯でオープンし、あえて自ら“わざわざいこう! へんぴなミュージアム”と謳う「海洋堂ホビー館四万十」。県内、四国を中心に、大阪や東京、そして遠く北海道や沖縄からも来場者を集めており、その数は2011年7月の開館から現在まで、既に15万5,000人を超えている。中には四万十に1泊して2日に渡って来館する人や、これまでに7回も来館しているリピーターなど、熱心なファンもいるようだ。

施設の規模は面積2,816平方メートル、展示場延床面積615平方メートルで、館内中央には長さ約14m高さ約10mのカタロニア船の模型が鎮座。展示室には海洋堂創業以来のアートプラやガレージキット、3,000点以上の食玩やリボルテックフィギュア、アクションフィギュアなどが並んでいる。

また、2013年3月16日のリニューアルオープンより展示品も大幅に入れ替え、日本のミニチュアコレクションや大ジオラマも新たに展示。特に日本のミニチュアコレクションは、この施設に先んじて開設されていた滋賀県長浜市の海洋堂フィギュアミュージアム黒壁では見られなかったもので、ここの見どころのひとつとなっている。

もちろん、黒壁のミュージアム同様、こちらにもショップコーナーが設置されており、既存の製品のほか、ここでしか手に入らないオリジナルフィギュアやオリジナルグッズも販売されている。

さらに、校庭だった場所に大人も乗れるぐらいの大きさの木製のヒコーキや戦車などを置き、無料で開放。子供たちが土のグラウンドでのびのびと遊べるようになっているのも、元小学校の敷地を利用した同施設ならではのセールスポイントだ。

先述のリニューアルでもうひとつ変わった点は、体育館を利用した展示室に加えて校舎側にも企画展示コーナーが2カ所設置されたこと。これにより、常時いろいろなイベントが楽しめるようになった。

その企画展だが、現在は「KAIYODOエヴァンゲリオンフィギュアワールド」を開催中(5月27日まで)。海洋堂制作のリボルテックフィギュアを使ってヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・破の感動的シーンを3次元で立体化。エヴァ好きはもちろん、初めての人も楽しめるイベントとなっている。

オタク文化の施設を招致するという、高知・四万十町が取り組んだ町おこしの新たな方法論とともに、その新名所たる“へんぴなミュージアム”に今後も注目していきたい。