パリ・サンジェルマン(PSG)は12日、リーグアン第36節でリヨンを1−0と下し、19年ぶりとなるリーグ優勝を達成した。2試合を残してタイトルを獲得したPSGだが、カルロ・アンチェロッティ監督を引き留めるには十分ではないかもしれない。

アンチェロッティ監督はレアル・マドリーの新指揮官になるとの見方が有力だ。PSGは前回優勝した1994年のように、リーグ制覇後に指揮官を失うかもしれない。チャンピオンズリーグでもベスト8進出を果たしたアンチェロッティ監督だが、クラブからサポートを受けていると感じていないのだ。

2人退場者を出したレンヌにホームで敗れ、また格下ニース相手にも勝ち点を落とし、カップ戦でも準々決勝敗退となった2012年の最後2カ月、PSGのオーナーは「勝つか、去るかだ」と、アンチェロッティ監督に解雇をちらかせたのである。

少なくとも中期的にチームをつくるために必要な信頼関係に亀裂が生じたのだ。PSGはCLグループリーグを首位通過し、1月に首位に立ってからその座を明け渡さず優勝を果たして、何よりCLではバルセロナを相手にアウェーゴールの差でベスト8敗退という成績を残したが、指揮官の去就が確実でない状況でリーグ制覇を祝うこととなった。

確実でないのは一部の選手たちも同じだ。例えばMFマルコ・ヴェッラッティはレアル移籍を噂されている。一方、FWズラタン・イブラヒモビッチの代理人であるミーノ・ライオラ氏はこの日、「彼はPSGに残る」と強調した。

リーグ戦で27ゴールを記録し、優勝に貢献したイブラヒモビッチは、試合後にドレッシングルームでレオナルドSD(スポーツディレクター)と口論している。おそらくは、試合後のドーピング検査が長引いたことでナーバスになっていたようだ。

イブラヒモビッチはテレビカメラに映されている状況で、レオナルドSDに向かって「オレは20分も一人だったんだ。出られなかった。あんたはいっつもすべてをぶち壊さなきゃいけないんだ」と怒鳴った。