ダッシュすると転倒しそうになる……サビついた身体を鍛える方法

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春と秋は運動会シーズン。子供が通っている学校の運動会や町内会が主催するスポーツ大会などに、参加する人もいるのではないでしょうか。「家族にいいところを見せよう」と張り切ったものの、思ったように身体が動かずにつまずいたり、転んでしまったりして恥をかいた……。そんな経験をする人が少なくないようだ。

日常生活においても、電車に乗り遅れないように階段をダッシュする、赤信号直前にあわてて横断歩道を渡る際に、転倒しそうになる、もしくは実際に転倒してしまったことがある人も多いはず。ふだん、運動していない人が急に走るのはケガのもと。十分に気をつけよう。

昔は何の問題もなくダッシュできていたのに、大人になってから急に全力疾走するとバランスを崩したり、転んでしまったりするのはなぜか? その理由は筋肉の衰えと神経系統の衰えにある。

走る時に重要な筋肉のひとつに、「腸腰筋」というインナーマッスルがある。腸腰筋は姿勢をキープする、脚を前に持ち上げるといった動作で使われる筋肉。ここが加齢や運動不足に伴い衰えると、走った時に身体がぐらついてしまい、脚が十分に上がらないのでつまずきやすくなる。

また、脚を素早く交互に持ち上げる・後ろに蹴り出すといった一連の動作に必要な神経系統は、使わなければその分、衰えていく。ふだん走っていない人が急に走ると、脚がもつれてしまうのはこのためである。

加えて、走る時のフォームや着地の仕方が間違っている可能性もある。走る時は、かかとではなく前足部(足の裏の指のつけ根部分)を意識して着地するのが基本。かかとばかりで着地すると、重心が後ろになり速く走れない。また、かかとだけを使っていると衝撃が膝にかかり、膝を痛めることもある。蹴り出す時に、前足部が十分に使えていることを意識しよう。

走るとバランスを崩す・転倒する。こういった状態に対して何もケアをせずにいると、転んで膝をすりむく程度では済まずに、捻挫や肉離れ、アキレス腱断裂などの大ケガをしてしまうことも……。これではせっかくの運動会も台無しだ。

また、足の筋肉や神経系統の働きが低下すれば、当然、将来的には歩行にも支障がでる。そして、早い段階でロコモティブシンドローム(略称ロコモ)になってしまう場合もある。ロコモとは、加齢や生活習慣が原因で足腰の筋肉、骨、関節等が衰え、寝たきり状態や介護が必要になるリスクが高い状態のこと。「メタボ」と並ぶ国民病として注目を集めている。何歳になっても自分の足で歩けるように、運動会を機に自分の身体を見つめ直し、足腰を鍛えるようにしたい。

走れる身体づくりが転倒防止のカギ。当日は食べ過ぎない、飲酒しないことも大切。運動会への参加が決まったら、次のトレーニングに取り組んでみよう。

ストレッチ

・アキレス腱伸ばし

背筋を伸ばして立った状態から片脚を前に出す。そのまま後ろ足のかかとを地面に降ろし、後ろの脚のアキレス腱を伸ばす。

・股関節前面伸ばし

アキレス腱伸ばしと同じ体勢になり、体重を前にかけるのと同時に後ろの脚の膝を床につくぐらいまで下げる。この際、後ろ脚の太もも前面が伸びていることを意識する。

筋トレ

・その場でもも上げ

その場で太ももを交互に素早く上げる。まずは10回くらいからスタートして、慣れてきたら回数を増やすといい。腸腰筋をはじめとする走る際に必要な筋肉と神経系統を同時に鍛えることができる。

・ランジ

(1)脚を肩幅程度に開く。手は腰に軽く添える

(2)片脚を前に出す

(3)腰を床に対してほぼ垂直に下ろす。後ろの脚の膝は曲げる。この時、前に出した脚のももと床が平行になるぐらいまで下ろすのが理想