中国では今でもキプロス投資のネット広告をあちこちで見かける。30万ユーロの不動産を購入すれば家族みんなユーログリーンカード取得、パスポート全世界84カ国通行可能。100%成功と謳っているが……

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湖南省の中南大学大学院在籍中に邱永漢氏と出会い、卒業を待たず、2005年から氏が亡くなる2012年5月16日まで秘書として中国ビジネスと中国株を直接学んだ上田尾氏。今回は、上海で勧められたあやしい不動産投資の話です。

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青い空と海……「塞浦路斯」ってどこ?

 去年の秋ごろに上海の友人から「不動産投資関係」の仕事をしている人を紹介され、会うことになりました。

 上海市内の喫茶店で待ち合わせをし、先に着いたのでコーヒーを飲んでいると、いかにもあやしげな男性が挨拶してきました。年は私より上の40歳くらい、髪型は短髪で、裕福そうな感じのポッチャリ体系でちょっと色黒。最初はかなり警戒しながら彼と挨拶を交わしました。

 日本に何度も行ったことがあり、「日本は清潔だ」とか「食べ物がおいしい」とかのありきたりの話が30分以上も続きました。

 時間がもったいなかったので、さりげなく自分も中国で不動産投資をしていると言うと、彼はカバンから2冊のパンフレットを取り出しました。ようやく「仕事」が始まったのです。

 彼が勧めるのは「塞浦路斯」の投資物件で、パンフレットには抜けるような青空と青い海、白い別荘の写真が何枚も載っていました。きれいな芝生の庭にはプールまであり、この世の楽園とはこのことです。

 私は「きれいですねぇ! こんなところに住めたら気持ちいいでしょうねぇ。塞浦路斯 ですかぁ、いいですね!」と答えはしたものの、ところで「塞浦路斯」ってどこだ?と思って聞いていました。

 彼が言うには、この「塞浦路斯」で30万ユーロ(約3800万円)以上の不動産を購入すると、申請から半年くらいで永住権が手に入るのだそうです。不動産を買ってくれたら、永住権の取得手続きもすべて彼の会社でやってくれるとのこと。

 さらに、子ども連れで移住する場合のサービスもあります。「塞浦路斯」の学校に入るには入学試験や編入試験があり、しかも英語なので語学力がないとなかなか合格しないのですが、彼の会社のコネでその試験がかなり優遇され、かんたんに入学できるのだそうです。

 とはいえ、いまだに「塞浦路斯」がどこかわからなかったので、トイレに行ったついでにこっそり携帯で調べると「キプロス」でした。その頃はまだキプロス問題の前でなんの知識もなかったのですが、パンフレットの写真と移住の条件を聞いて少しだけ心が揺れてきます。

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