韓国大統領府の報道官がセクハラで更迭、訪米同行の裏で何が?

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韓国大統領府は10日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米に同行していた尹昶重(ユン・チャンジュン)報道官を、更迭したと発表した。在米韓国大使館から派遣された実習生の韓国人女性を、セクハラした疑いが浮上している。

事件は、朴大統領とオバマ米大統領が首脳会談を終えた7日夜に発生した。ホワイトハウスの近くで酒を飲み、宿泊先のホテルから車で10分ほど離れたホテルで、女性にセクハラ行為をしたとされる。朴大統領が宿泊していたブレアハウスからは目の鼻の先だった。

だが、セクハラ騒動が起きるまでの間には、現地でさまざまな問題が発生していたようだ。

■在米韓国大使館が米大物議員に非礼、尹氏が事態収拾

韓国メディア「ニューデイリー」は、今回の出来事について詳しく伝えている。記事『尹昶重セクハラ? 果たして何があったのか』によると、尹氏は実習生の女性に度々激怒していたという。女性は現地ガイド兼通訳として採用されていたが、尹氏が乗る車を予定時間に手配しないなど仕事でミスを出していた。

在米韓国大使館も重大なミスを犯した。米韓首脳会談が行われた7日夜、米韓同盟60周年を記念した晩餐会が開かれたが、そこで乾杯の挨拶をする予定だった米民主党の長老、チャールズ・ランゲル下院議員(83)を大使館職員が遅刻を理由に会場に入れなかったのだ。

ランゲル議員は「乾杯の挨拶をすることになっている」と説明したが、大使館の職員は入場を許さず、韓国大統領府の職員が気がついてやっと入場することができた。この騒動を収拾ため奔走したのが尹氏だった。

■女性をホテルに呼びセクハラ

晩餐会が終わると、尹氏は女性と記者を連れてホテルのバーに向かった。尹氏はこれまで怒ったことを詫び、酒を飲んで30分ほどで解散した。しかし尹氏はその後、女性だけを呼び出し、ホテルの部屋で二人だけで酒を飲んだ。この時に1度目のセクハラ行為を行った。女性は抗議して部屋を出たが、再び尹氏に呼ばれたことから部屋に行くと、2度目のセクハラ行為に及んだという。女性はこの後、警察にセクハラ被害を申告したとされる。

2人と一緒に酒を飲んだ記者によると、尹氏は8日の日程に姿を見せなかった。恐らくこの時点で、尹氏のセクハラ行為は大統領府内で大きな問題になっていたとみられる。8日午後1時30分、尹氏はワシントンから韓国行きの航空チケットを購入し、一人で帰国した。

■大統領府が更迭を発表

大統領府はロサンゼルスで、尹氏の更迭を発表した。理由は「高位公職者として不適切な行為を行い、国家の品位を傷つけたと判断したため」という。

韓国のインターネットユーザー「国の恥さらしめ」「汚点どころの騒ぎじゃない。訪米失敗だ」「米韓同盟60周年の祝砲を上げようとしたのか」「初の外遊先なのに…」などと尹氏を非難。コミュニティーサイトなどは、尹氏に関するコメントで激しく荒れている。

・参照:ニューデイリー
・参照:ハンギョレ

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