なぜ群馬県の草津温泉が全国1、2位の名湯なのか? その秘密に迫る!

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日本一の温泉自然湧出量を誇る草津温泉は、観光経済新聞社主催の第26回「にっぽんの温泉100選」において第1位に選ばれ、2003年度の第17回から10年連続第1位となる偉業を達成した。他団体主催の温泉ランキングでも、常に1位か2位を獲得しているが、なぜそんなに人気なのか調査してみた。

まず、資料収集を兼ねて草津町役場へ。庁舎内へ入ると、よく目立つ場所に掲げられたポスターを発見。「にっぽんの温泉100選」第1位獲得を祝い、告示する内容である。登別、湯布院、黒川など、並み居る強豪を抑えての10年連続第1位獲得は、さぞかし感激の極みだろう。

さて、役場を出ると、まずは地域のランドマークであるとともに観光名所となっている湯畑(ゆばたけ)周辺で取材を開始した。湯畑とは温泉街の中心部に湧く源泉で、周囲がロータリー状に整備されている。デザインは芸術家の岡本太郎氏が手掛けたと言われる。お湯が滝のように湧き出る光景は全国的にも珍しく、観光客を喜ばせている。

まずは観光客に、草津温泉に来た理由や感想などを尋ねてみたところ、「湯畑を中心に宿泊施設や店舗、その他の施設が集中的に集まっているから動くのにも都合が良いですからね」とコメント。さらに、「温泉の質が良いと聞いていたので、一度訪れてみたかったんです」という理由も目立った。やはり、地の利のよさや泉質のよさが人気の理由なのだろうか?

そう推測しつつ、地元の商業主や団体の職員さんなどにもその理由を尋ねてみたところ、「温泉湧出量が全国一だから」「江戸時代の温泉番付じゃ、当時の最高位・東大関に格付けされたよ」「昔から湯治場として有名」「温泉の温度を下げる湯もみが名物だから」など。様々な意見が飛び出して収拾がつかないので、旅館、ホテル関係者へ突撃取材することにした!

するとまず、古風な梁造りと懐石料理が有名な某旅館の男性は、「草津の人たちは仲がいいので、通常のことはもちろんのこと、難しいことにもみんなで立ち向かい、克服できるんです。それが私たちの誇りであり、自慢できることです」と話してくれた。

また、露天風呂や貸し切り風呂の風情の良さが人気の某ホテルの女性は、「草津温泉は10年以上前から『泉質主義』を掲げ、温泉へ熱くこだわり続けてきました。今もこれからもずっと努力を重ねていきます。来るたびに何か新しいものを発見できるところ。それが草津温泉なんですよ」と、温泉のように熱い語り口で聞かせてくれた。

「泉質主義」とは、源泉を薄めず、加熱もせずそのままの湯を楽しんでもらうことをモットーとすること。草津温泉には100数カ所の源泉があり、それぞれ泉質は異なるが、総じて弱酸性で(硫酸塩・塩化物温泉)で、湯内では雑菌や最近はほとんど繁殖できないという。

ゆえに、草津の湯に入ることで傷が癒えたり、身体の疲れが軽減したりといった効能が期待できるのだ。

今回の調査では、草津温泉旅館協同組合事務局長・星野敏雄さんの説に一番納得したので、以下に紹介させていただこう。

「草津というところは、昔から産業は非常に乏しかったんです。農業も林業も商業も工業も育たないこの地で、草津の人々は温泉に生きることの全てをかけ、草津温泉を作り上げてきました。その結果が、今日の草津温泉の実情だと思います」。

聞き込みを終えて温泉街をブラブラと歩いていると、片岡鶴太郎美術館にたどり着いた。この一帯には、実はこちらの美術館の他にも、草津運動茶屋公園、草津熱帯圏、草津国際スキー場、草津白根山などといった観光地や名所がたくさんあるのだ。気になるスポットがあるなら、行き帰りの際には是非とも立ち寄っていただきたい。

また、草津温泉最新スポットとしてグランドオープンした、湯畑の南側にある共同浴場「御座之湯」も注目スポットだ!

旅行の時間に余裕がある場合は温泉への道すがら、隣接の嬬恋村や長野原町などを訪れてはいかがだろうか。嬬恋村のバラギ高原地区にあるバラギ湖は、湖面が夕日に輝き、幻想的な空間を生み出す。短時間の滞在ではもったいなく感じるほど、心を打つ風景に出合えるだろう。

また、同地区には嬬恋バラギ温泉があるほか、少しクルマを走らせると「愛妻の丘」などの名所もある。長野原町には、軽井沢町に隣接してリゾート地に発展した北軽井沢や、川原湯温泉、鬼押出し・浅間園などがあるので、たっぷり時間をとってスケジューリングしてほしい。