LCC、完全覆面調査 (5) 激安運賃でヒット食も! これからに期待できるLCC - ピーチ

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ピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)は2012年3月1日、「国内初の本格的な低コスト航空会社(LCC)」と銘打って運航を開始した。「本格的なLCC」というのは、簡単に言えば格安運賃で乗れ、座席指定から機内食、受託手荷物までサービスはすべて追加料金が必要な航空会社だということ。海外ではこれが最も一般的なLCCのスタイルである。

利用した沖縄(那覇)→関西空港の片道運賃は5,990円。10月末の旅行のオフシーズンだったとはいえ、「本格的なLCC」にふさわしい安さだった。

さて、ピーチへの搭乗当日。ジェットスター・ジャパンやエアアジア・ジャパンを利用する時より少しだけ早めに空港に行った。理由はウェブでの事前チェックインができないから、その分の時間を考えてのこと。那覇空港にはLCC専用のターミナルがあり、ピーチもこのターミナルを利用、ここでも少し時間を要すると思ったからだ。

ところが、満席でも1便あたり180人と比較的人数が少ないため、チェックインは早々に終了。逆に時間を持て余してしまった。ただ、あまり遅く行くと出発30前というチェックインの締め切り時間を過ぎてしまう危険性もある。時間の調整が難しいのもLCCの特徴と言えるだろう。

機内に入ると、アバクロンビー・アンド・フィッチやマーク・アンド・スペンサーなどを手がけた、ジェームス・ウィルスキー氏デザインの制服を着たキャビン・アテンダント(CA)がお出迎え。CAは全員若めの女性だというのも柔らかい印象を与えてくれる。

出発は26分のディレイ(遅れ)だったが、ディレイはLCCではそう珍しいことではない。2012年の就航時には、CAが機内の安全をチェックする際に欠かせない「シートベルトの着用」「頭上荷物棚の扉のたるみ」「乗客の手荷物の完全収容」に時間がかかっていたという印象を受けたが、今ではビシッとチェックをしていた。

シートベルトを締め忘れた乗客に、「お客様がベルトをきちんと締めていただけますと早く出発できます」というCAの言葉も、安全面を優先する姿勢と思えば納得できる。

座席は実測で70cmと狭く、成田→那覇で乗ったエアアジア・ジャパンとほぼ同じ。世界的に見ても最も狭いレベルと言えるだろう。シートのカタチも同じだったから、おそらく同じメーカーと思われる。とは言え、沖縄から大阪・関空までは2時間弱。我慢できない距離ではない。

ウトウトし始めた頃、ふと後ろの乗客に起こされた。「何でしょうか?」と聞くと、「申し訳ありません。リクライニングを戻していただけないでしょうか。トイレに行けませんので」つまり、私が背もたれを倒していたため、後ろの乗客が狭くて通路に出にくいというのだ。その人が背の高い男性だったということもあり、以後、関空に着くまで、申し訳なくて背もたれは倒せないままだった。

しばらくすると機内販売がはじまった。ただ、「季節のお弁当」(700円)は、大人の男が食べるにはちょっと量が少ない印象を受ける。そこで、デザートにオリジナルの「特製ピーチデニッシュ」(300円)にトライしたら、これが美味! 就航当初からあるから人気メニューとして定着しているようだ。

「胃薬を飲みたいので水をください」。今回の覆面レポートで恒例の質問をしてみた。すると、「水は150円で販売しております」と返事。エアアジア・ジャパンでは無料だった上に、さ湯にして出してくれたのに……と思ったが、「激安運賃」というサービスを提供するために譲れないところなのかもしれない。

一方で機内販売のメニューを豊富にするなどして、運賃以外で収入を得る努力をする。典型的なLCC路線を行くのがピーチなのだと実感したフライトだった。ピーチは就航して一年の会社。LCCらしい遊び心はまだ感じられなかったが、期待を込めてこれからのピーチを見守っていきたい。



就航路線: 関西 - 札幌、福岡、長崎、鹿児島、沖縄。関空 - 仙台、関空 - 石垣(2013年6月14日〜)、沖縄 - 石垣(同9月13日〜)

使用機: エアバスA320-200

シートピッチ(座席の前後間隔): 約70cm(実測)

座席幅: 約45.5cm(実測)

機内食: 季節のお弁当・温かい緑茶つき(800円)、特製ピーチデニッシュ(300円)など

事前座席指定: スタンダードシート(210円)、プレジャーシート(420円)、ストレッチシート(840円)

受託手荷物(事前予約): 1個(1,050円、20kgまで)〜5個(3,150円)。当日購入は1個(2,100円)〜5個(4,200円)

超過手荷物手数料: 1個あたり2,100円 運賃の種類(普通席)=ハッピーピーチ運賃、ハッピーピーチ・プラス運賃

ウェブチェックイン: 不可

当日チェックイン締め切り: 出発30分前



※上記データは2013年3月時点、国内線のもの。特に表記のないものはインターネット予約の場合