韓国関税庁は8日、通関情報交換に関する協定に従い、5月14日から米国と韓国間の国際郵便物(EMSや小包など)に対する輸出入通関情報を、荷物到着前に相手国に提供すると発表した。キムチなど韓国食品を米国に送る際の通関審査も厳しくなると見られている。複数の韓国メディアが報じた。

 報道によると、郵便物の発送人、受取人の住所、名前、内容物、数量、価格などの情報を、相手国に荷物が到着する前に提供する。通関情報を事前に入手することで、国際郵便物を通じた麻薬、人肉加工品など社会問題を起こしている物品の国内搬入を未然に防ぐ狙いがある。

 しかし、キムチなどの韓国食品を米国に郵送する際の手続きも厳しくなるとみられ、韓国では“副作用もある”と懸念が広がっている。

 協定では、韓国で健康飲料として飲まれている「梨汁」「玉葱汁」などは米国食品医薬局(FDA)では「類似医薬品」に該当するため、今後は韓国から送っても米国で通関が許可されない可能性がある。ほかの郵便物を汚染、毀損(きそん)する可能性のある物品(キムチなど)は、米国の税関で事前通告なく廃棄されることもあるという。

 税関庁の関係者は、「事前に通関情報を入手することで、正常の郵便物はより迅速に通関できるようになる」と期待を示す一方、「キムチなどの食品の通関はより厳しくなる」と注意を促した。(編集担当:新川悠)