キプロス危機の影響は新興国株相場にも及んだが、成長力に安心感のある東南アジア株は、比較的好調な株価を持続している。不振が続くBRICs株が復活するのかどうかが当面の注目点になりそうだ。


3月の新興国株相場は、キプロス問題の悪影響を受けて軒並み中旬に大きく調整した。

しかし、下旬以降はキプロス問題が解決へ向かう見通しとなったことへの安心感が広がり、米国株の過去最高値更新の勢いにも乗って反発。インドネシア、タイ、フィリピンなど、長期上昇トレンドにある東南アジアの国々の株式相場は、一時的な調整を抜けて上昇ペースを維持している。

対照的に、かつては新興国の代名詞的存在であったBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の株式相場はさえない状況が続いている。

中国株は、3月1日に中国政府が不動産取引規制の強化を発表したことから週明け4日の香港・中国本土市場で銀行株、不動産株を主導とする大幅安に。その後も9日に発表された中国の経済指標が強弱まちまちだったことなどから買いの手がかりがつかめず、月末に至るまでジリ安が続いた。中旬以降、発表が本格化した昨年度の企業決算が振るわないことも不安材料だ。

インド株は、世界的な金融緩和への期待とともに上旬こそ好調だったものの、連立政権から中核政党が離脱し、政局が混迷した中旬以降は売りが加速した。SENSEX指数は年初から3月末までに約3%下落している。

欧州経済の影響を受けやすいブラジル株も、キプロス危機に加え、緊縮財政によって回復の見通しが見えない欧州経済への懸念が重しとなり、ボベスパ指数は3月25日に8カ月ぶり安値をつけている。

ウォン高とともに北朝鮮との紛争懸念が高まっている韓国株も、外国資金の流出で大きく下げたが、下旬以降は買い戻しの動きが見られた。






この記事は「WEBネットマネー2013年6月号」に掲載されたものです。