為替コストがおトクで効率的に外貨取引するには?
外貨MMFの仕組みがわかったところで、実際に購入する場合はどこを利用すればいいのか?ネット銀行の代表としてはソニー銀行が挙げられるが、ネット証券口座でも買うことができるぞ!


多彩なラインアップあり。人気は豪ドルMMF、違いは為替手数料
外貨MMFは魅力的な商品だ。下の表を見ていただくとわかるように、投資できる主な通貨には米ドル、ユーロ、カナダドル、豪ドル、NZ(ニュージーランド)ドル、南アフリカランドがある。証券会社や銀行によって扱う外貨MMFが異なり、運用会社によって同じ通貨でも平均実績が異なる。

主要通貨のユーロ建てはSBI証券しか販売していない。実は2012年10月にダイワ・アセット・マネジメント(ヨーロッパ)リミテッドが運用する「ダイワ外貨MMF ユーロ・ポートフォリオ」、12月に日興アセットマネジメント ヨーロッパ リミテッドが運用する「ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド ユーロ・ポートフォリオ(日興ユーロMMF)」が繰り上げ償還したためだ。

その理由を、ダイワは繰り上げ償還を知らせるリリースの中で「ポートフォリオの投資対象市場である、ユーロ建て短期金融市場の金利は低下しており、今後もこの基調は続く見通しである。従って、高い流動性を保ちつつ収益を確保する、という適正な運用サービスを提供し続けることが難しい環境にある」と説明している。欧州危機によって一部の信用力のあるユーロ債券に需要が集中してしまい、運用が難しくなったということだ。

では、初めての外貨投資にはどの通貨が適しているのだろう。深野さんは「利回りで選ぶなら豪ドルかNZドル、為替差益を狙うのなら利回りが低くても情報が得やすい米ドル」を勧める。「南アランドの4%は魅力ですが、外貨投資初心者には為替相場の読み方が難しいかもしれません。ただ、利回りだけでなく、金融機関や通貨ごとの為替手数料の比較も重要です」

通貨によって戦略多彩NZドルは金利狙い、米ドルは為替差益狙い
豪ドルか米ドルか……。迷ったときは?みんな〞の行動を見てみよう。米ドル、豪ドル、NZドル、カナダドルの4本の外貨MMFを扱うネット専業のソニー銀行の顧客残高(上のグラフ参照)は、「豪ドルが4割、米ドル3割、NZドル2割ほどとなっています」と営業企画部の出口善也さん。

ポートフォリオに外貨を組み込んでリスクを分散するという大きな目的があるにせよ、豪ドルとNZドルは主に金利狙い、米ドルは主に為替差益狙いと解釈できそうだ。

ソニー銀行の豪ドル預金金利(2013年2月26日現在。年利税引き前)は普通預金0.25%、定期預金1.85%(1カ月、10万円または1000豪ドル以上、1万豪ドル未満)なのに対し、豪ドルMMFは2.299%。「MMFはいつでも解約でき、利回りもいいのでひと手間かけてMMFを購入しているのでしょう」(出口さん)

ソニー銀行に保有している円預金から外貨MMFを買う場合、円普通預金↓外貨普通預金↓外貨MMFという流れになる。円預金から直接、外貨MMFを買うことはできない。外貨MMFを解約して円に戻す場合は流れが逆になり、外貨MMF↓外貨普通預金↓円普通預金となる。ということは為替手数料は円普通預金↕外貨普通預金の部分で生じることになる。為替手数料だけでなく約定為替レートの更新タイミングも各社で異なるので注意しよう。

証券会社で外貨MMFを購入した場合、通常、約定は1日1回の為替レートが適用されることが多いため、実は機動的に売買して為替差益を狙うことは、そう簡単なことではない。ソニー銀行の外貨預金では、原則として市場レートの一定幅の変動ごとに為替レートを見直しているので、チャンスは多い。そこまでの時間がないというのなら「指値」を利用すればいい。

ほかにも「月末の外貨預金残高が円換算額で300万円以上あれば、残高に応じた外貨預金優遇制度が適用されます。2通貨決済機能付きクレジットカードを使えば、米ドル普通預金を外貨のまま使えますよ」(出口さん)。

外貨MMFに限らず市場金利の動きに敏感な商品を購入することで、金融経済をより深く見る習慣がつくし、投資の経験も積めそうだ。



出口善也(YOSHIYA DEGUCHI)
ソニー銀行 営業企画部




この記事は「WEBネットマネー2013年5月号」に掲載されたものです。