アベノミクスが目標としているインフレ率2%。実はこれ、ローンを組む人には要注意なのだ。これから賢くローンを組むために、金利の仕組みなどについて専門家に聞いた。

 住宅ローンの金利タイプは大きく三つ。「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」だ。変動金利は、半年に1回金利が見直されるため、最初の6カ月しか金利は確定していない。だが、5年間は月々の返済額が変わらないので、金利が上がれば、利息分が増える分、元本返済部分が減る。なかなか元本が減らなくなる。

 一方、固定期間選択型は、3年、5年、10年など、一定の期間の金利を確定するもの。その期間以降もローンが残っている場合は、その後の返済を変動にするか固定にするかを決める。全期間固定型は、返済終了まで金利が固定されるタイプで、返済プランは一番立てやすい。

 金融機関によって多少幅があるものの、現在の変動金利は0.8〜1%前後。固定金利は1〜3%前後。例えば、三菱東京UFJ銀行を見ると、最優遇の場合で変動0.875%、固定10年1.35%、固定20年3.15%だ。

 変動金利が固定金利より低いため、これまでは変動を選ぶ人が多かった。今は、変動金利も固定金利も、歴史的に見ると低い水準だ。バブル時代、8.5%だったこともある。バブル時代を除いても4〜6%の水準は珍しくなかった。

 金利が上がると、どれぐらい利息が増えるのか。例えば3千万円のローンを返済期間35年固定で組んだ場合、金利1%だと利息は総額で557万円。3%では1849万円にもなる。ゼロコンマ以下でも大きく違う。1%が1.2%になると119万円も利息総額は増える。

 安倍政権の掲げるインフレ率2%が達成されれば金利は上がるだろう。税理士でファイナンシャルプランナーの佐野康隆さんは、特に20〜30代の傾向についてこう語る。

「高金利を経験したことがないためか、金利が高くなるという意識はあまりない人が多いみたいです。でも、インフレ率2%が実現すると金利は2、3年後に確実に上がってくるでしょう。社会保険料や税金が増えて、給料の手取りがドンドン減っている時代。家計のうちローン返済に占める割合が今より大きくなっていく可能性があります」

AERA 2013年5月6日・13日号