初のホラー映画『フッテージ』を語ったイーサン・ホーク
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 イーサン・ホークが、30年近いキャリアで初めて挑んだホラー映画『フッテージ』について語った。脚本家のC・ロバート・カーギルが『リング』(中田秀夫監督)を観た晩の夢にヒントを得ているという本作でイーサンがふんするのは、野心を捨てられないあまり8ミリフィルムに収められた一家惨殺映像の謎に憑(と)りつかれていくノンフィクション作家の主人公だ。

 これまでホラー映画への出演を拒んできたイーサンが本作への出演を決めたのは、長年の知り合いである『インシディアス』のプロデューサー、ジェイソン・ブラムと『エミリー・ローズ』のスコット・デリクソン監督の力が大きかった。イーサンは「ジェイソンは『パラノーマル・アクティビティ』(2007)で大成功を収めたあと、僕をホラー映画に出演させようとしたんだ。だから『いい監督がいたら電話して』って伝えていたんだよ」と明かす。

 それから時は流れ、本作の企画をジェイソンに売り込んだスコット監督が、主人公の第1希望に挙げたのがイーサンの名前だった。「スコットは僕たちが知り合いだとは知らなかったんだ。ジェイソンは思わず笑ったそうだよ」と振り返ったイーサン。ホラー映画は苦手で脚本を読むのは怖かったというが、「でもスコットは好きになった。真面目な男で、一緒に働きたいと思ったんだ」と出演を決意した。

 イーサンは迫真の演技で観客を恐怖に陥れるが、「観客を怖がらせるということは意識しないように努めた」とのこと。「ホラーというのはコメディーと似ていて、重要なのはタイミング。編集が恐怖を生み出すんだ。だから映画を怖くするのは監督の仕事だと思う。僕はいつも通り、ある状況に置かれたキャラクターをできるだけリアルに演じようとしたんだ」とホラー映画向きに演じ方を変えたわけではないと断言した。

 また、『ガタカ』『トレーニング デイ』『恋人までの距離(ディスタンス)』シリーズなど数々の名作に出演してきたイーサンが作品選びで重視しているのは「今、置かれている状況でベストなものを選ぶこと」だという。本作も低予算の作品ながら全米で大ヒットを記録し、すでに続編の製作も決まっているなど新たな挑戦が功を奏した形だが、ときにはあまりうまくいかないこともあるよう。

 『デイブレイカー』(2009)を例に挙げたイーサンは「脚本を初めて読んだとき、ヴァンパイア映画を作るときが来たって思った」と説明。「だけど公開されたときには、僕たちにとっては不幸なことに『トワイライト〜初恋〜』といったヴァンパイア映画だらけになってしまっていた。『デイブレイカー』は素晴らしい映画だと思うから、もし1年半前に公開されていたとしたら大成功を収めていただろうね」と少し残念そうに語った。(編集部・市川遥)

映画『フッテージ』は5月11日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開