『愛しのインチキガチャガチャ大全―コスモスのすべて―』(著・池田浩明、集・ワッキー貝山、双葉社)

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駄菓子屋などの店先に設置されていた一昔前の「ガチャガチャ」。「当たり」のグッズを思い描いて胸を躍らせ、なけなしの小遣いをつぎ込んでみたものの、出てくるのは期待はずれの「インチキ品」ばかり……

「こんなもんいらんわ!」

ある世代の方なら、こんな悲しい思い出があるのではないか。

「偽ビックリマンシール」事件も

双葉社から2013年4月21日発売された『愛しのインチキガチャガチャ大全―コスモスのすべて―』(1890円)は、ガチャガチャ時代を代表するメーカー・コスモスにスポットライトを当てた。

1977年に設立されたコスモスは全国にガチャガチャ旋風を巻き起こし、一時は「シェア80%」を称するほどの成功を収めた。しかし88年には倒産、時代のあだ花として、ほとんど忘れ去られた存在となっていた。

同著はそのコスモスが残した膨大なガチャガチャ商品の中から、コレクターのワッキー貝山さんが収集した1000点をフルカラーで掲載・解説した一冊だ。そこに陳列されるのは「偽キン消し」や「ダンガム」などの臆面もないパクリ商品から、使いどころのわからないシュールでチープなおもちゃ、ただ「青木」という文字が印刷されただけのキーホルダー(一応名札らしいが、「青木」以外に種類はないらしい)まで、実に怪しいものばかり。コスモス自体は知らない世代でも、見ると自然にあの日の残念な思い出がフラッシュバックする。

巻末には、当時のコスモス関係者へのインタビューも。「ハズレ」と「当たり」のバランスや、様変わりした現代の「ガチャガチャ」への思い、そしてコスモス没落の舞台裏などが次々に明かされる。中でも、当時警察沙汰にまでなった「偽ビックリマンシール」事件にまつわる裏話はかなり興味深い。著者はライターの池田浩明さん。