永田唯。昨年の新人賞だが、ツアーではベスト4に入れず悔しい思いをした。本戦では惜しくも負けたが3位決定戦に進出。「本戦は緊張しすぎました(笑)」
 国内ツアーの初戦、東京オープン2日目は5日、お台場海浜公園(東京都港区)にて男女の準決勝などが行われた。

 男子は第1シードの西村晃一・日高裕次郎組と第3シードの中山貴洋・奥平翔悟組が勝ち上がり6日の決勝に進んだ。女子は草野歩・溝江明香組と田中姿子・石田アンジェラ組が決勝進出を決めた。

▼ 草野歩(左)と溝江明香(右)。本来のパートナーが欠場のため急遽組んだペア。しかしそこは実力者同士。問題なく決勝進出



 本戦の敗者による3位決定戦には、男子は仲矢靖央・畑信也組、板橋正人・瀬田久史組、女子は浦田景子・鈴木千代組、小野田恵子・永田唯組が進んでいる。

 東京オープンは今季開幕戦。昨夏にオリンピックが終わり、ビーチバレーボールも新しい4年のサイクルを迎えた。目標は様々だが各チームがリフレッシュされ、次のステップを踏み出している。現に今大会のリストを見るとほとんどが新結成ペア。上位に残った面々にも昨年から引き続いているチームはひとつもない。

 新しいペア同士、情報が少ない相手との対戦。練習を積んだとはいえ、試合の中でのコミュニケーションが不足したまま「探りながら」ゲームを進めていかなくてはいけない。それゆえ、やはり実力者に分があるが、突然噛み合い勢いのついたチームが、プレイで探りきれず戸惑ったままの実力者を倒す可能性もある。

 男子の中山・奥平組も今年からのチーム。奥平は昨季、良いプレイを見せながら二度の5位が最高。ベスト4の壁が破れなかったが、今季はいきなり決勝進出。準決勝では経験豊富な仲矢・畑組に逆転勝ちをおさめた。

 二人の拠点が離れているため、練習は個々で行いチーム練習は3日間のみで今大会に臨んだ。チームの完成度を不安視されると「同級生なので大丈夫」と奥平は話し、中山も「(負ける前提で)今日は3試合するつもりで来たのに」と笑う。「自分たちより、相手の方のトスが合っていなかった」と試合中に感じ「中山の堅いブロックのうしろで、僕が自由に動くのが良かった」と奥平は話した。「コケても(負けても)ベスト4でしょ(笑)」と挑戦者の気持ちで戦い、準決勝で勝利した。

 女子の小野田・永田組もフレッシュなチーム。敗者復活の5位決定戦では実力者同士の再結成ペア、宮川紗麻亜・保立沙織組をストレートで下し3位決定戦に進む。

 本戦1回戦も負けはしたが、ビーチバレー歴10年目を迎えるベテランの田中と石田のペアからセットを奪い、勝てるチャンスはあった。あと一歩「今季初の試合なので緊張しすぎた」(永田)ということなのか、最終セットで崩れてしまった。

 しかし、宮川・保立戦では小野田の軟打を中心とした攻め、守勢からの切り返しなど技術、精神面ともに噛み合った。小野田は「1回戦も悪いわけではなかった。宮川・保立戦は相手を知っておりプレイがわかっていた。攻め続けたのが良かった」と話す。この二人もトップチームと同様なチーム練習を積んできたわけではないが「個々の役割がはっきりしていてやりやすい。気持ちが行き過ぎない様にすることが大切」と永田も話す。

 実力者が新しいチームでも文字通り、実力を見せるのか。フレッシュなチームが戸惑いの間隙を突くのか。いつもとは違った見どころの開幕戦である。

(取材・文=小崎仁久)

結果は次の通り。

□男子1回戦
鈴木・直弘 0(9-21,21-23)2 板橋・瀬田
奥平・中山 2(21-15,21-16)0 大久保・小川

□男子2回戦
西村・日高 2(17-21,21-19,15-13)1 板橋・瀬田
奥平・中山 2(14-21,24-22,15-10)1 仲矢・畑

□男子5位決定戦
大久保・小川 0(21-23,12-21)2 板橋・瀬田
鈴木・直弘 0(12-21,12-21)2 仲矢・畑

□女子1回戦
大山・幅口 0(16-21,21-23)2 保立・宮川
石田・田中 2(21-15,18-21,15-7)1 小野田・永田

□女子2回戦
草野・溝江 2(14-21,21-18,15-8)1 保立・宮川
石田・田中 2(21-17,21-10)0 浦田・鈴木

□女子5位決定戦
小野田・永田 2(21-11,21-16)0 保立・宮川
大山・幅口 1(21-23,21-13,12-15)2 浦田・鈴木