社会人2年目にかかる「社2病」。いわゆる「厨2病」の社会人版だ。「できる俺」の風を吹かす痛い「病」はどこから生まれるのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が語る。

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 皆さんは社2病という言葉をご存知ですか? たまにネットで盛り上がる言葉のようです。このキーワードについて書いたネットニュースの記事や、NAVERまとめは話題になりました。

 この定義は、まだ確立されていないようです。一応、「はてなキーワード」には次のような定義が掲載されています。引用します。

 社会人2年目病の略。社2病。社会や会社に対して余裕が出始め、生半可な知識や経験を重ねることで自己主張を覚え始めるさま。新入社員のころの、社会への憧れとやる気を失ってしまったさま。中学での「厨2病」と大学での「大2病」につづき、社会人2年目ごろになると多くの人がかかるとされる症状。人生の三大病のひとつ。

 なるほど、どうやら2年目には魔物が住んでいるということですね。定義がやや曖昧なので、再定義の意味も含めて、思うことをお伝えしましょう。

 まず、「社2病」なる言葉をつくるまでもなく、要するに中2病の一類型ですよね。何かと新しい言葉を作りたがるわけですね。わかります。中2病自体、今や中学校2年生のことをさしていないわけで、別に厨2病的社会人と言えばいいのではないかと思うわけです。

 たしかに社会人2年目は調子に乗るのは間違いないです。ただ、これは今に始まったわけではありません。サラリーマン時代からフリーランスになった今も、ここで言う「社2病」の若者たちをたくさん見聞きしてきました。

 過去に見た、最高に社2病だなと思ったA君の特徴をお伝えしましょう。

・よっぽど偉い上司以外は、先輩にも、もちろん同期や新人にもタメ口をきくようになる。
・もちろん、先輩風を吹かせまくる。
・リクルートスーツをたまに着ていた新人時代からおしゃれのグレードがアップ。
・上司・先輩とのゴルフを始めるようになる。
・突然、中古車のワゴンを購入。
・残業中に突然、会社批判を始める。
・上司への報連相を怠り、勝手にジャッジ(でも、結果オーライ)。
・飲み会でもパシリ役だった1年目をから豹変。飲みの席で先輩女子の膝で甘える、など。
・カラオケで上司が知らないヒップホップの曲を入れる。
・やたらとナンパをするようになる。
・風俗マニアになる。

 まあ、彼は営業成績が良かったので、それほど叩かれませんでしたけどね。

 他にも、私がよく見かけたのは「エア転職自慢」です。要するに、大学時代の先輩に「オレがやっているベンチャーに来ないか?」などと軽く誘われたレベルなのに、あたかも内定が出たかのように振舞い「ベンチャーに誘われた、凄いオレ」を吹聴してまわるのです。昨年、先輩から厳しく指導され、時にはいじめられ悩んでいた若者が次の年に、今度はいじめる側にまわるなどの光景もよく見かけます。胸が痛みますな。

 昔も今も存在する社2病的傾向ですが、最近は2つの要因でより深刻になってきていると言えます。1つはソーシャルメディアの出現です。周りから見られていて、承認されたいことから、企業社会に飲み込まれつつも頑張っているオレアピールをしだすわけです。まあ、この辺はソーシャルメディア界に跳梁跋扈する意識高い系と一緒ですね。もう1つの要因は、企業に人材を育てる余力がないこともあり、以前よりも自律型・自立型の人材を採用していることですね。立ち上がりが早い分、会社を見下しつつ、後輩にも先輩風を吹かせるオレと化すわけです。

 実は、私も社2病を発症していた頃があるのですが、結局、先輩に叩かれ、後輩に突き上げられ、あっという間におさまりました。自分では早めになおって良かったと思います。人には突っ張る時代も必要です。ただ、後から考えると痛い時代でしかないわけですが。社2病も、本人が悪いわけでもなく、社会人と学生の間で、若者はゆれざるを得ないわけです。「ああ、しょうがねえな」と思いつつ、あたたかく見守りつつ、ちゃんとツッコミを入れてあげましょう。