最新作の役作りについて語るケイト・ハドソン/写真:SPLASH/アフロ

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第69回ヴェネチア国際映画祭のオープニングを飾ったミーラー・ナーイル監督最新作『The Reluctant Fundamentalist』で、アメリカンドリームを抱いてニューヨークに渡ったパキスタン人の青年チャンゲス(リズ・アハメド)と恋に落ちながら、過酷な運命をたどるフォトグラファーのエリカを演じたケイト・ハドソンが、インタビューに応じてくれた。

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1969年の『サボテンの花』(69)で第42回アカデミー助演女優賞を受賞したゴールディ・ホーンを母に持つケイトは、『あの頃ペニー・レインと』(00)で第58回ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞し、第73回アカデミー助演女優賞にノミネートされた実力派女優だ。

ヴィヴィットなピンクのセーターにピンクの15cmはあるハイヒール、そして黒いスパッツとカジュアルファッションで登場したケイトは、2児の母親とは思えない抜群のスタイルの持ち主。4月18日で34歳になり、「遅ればせながら、お誕生日おめでとう!」と周囲からお祝いの言葉をもらうと、嬉しそうに「ありがとう!」と応えながらも、「でも一歳年を取ったわ」と本音も。それでもまだまだラブコメで見るキュートな若さは健全だ。

「ヴェネチアで初めてこの作品を見たんだけど、圧倒されちゃったわ」とケイトが言うとおり、テーマが重いうえに、同作で演じるエリカを見た時は、一瞬、これがあの明るいケイト?と疑ってしまうほど。

「エリカは、夫を失うという悲劇にあって、とても落ち込んでいるし、罪の意識も抱いていて、そこからなかなか立ち直れないでいる女性なの。ラッキーにも私には大切な人を失った経験がないから、自分がした同じ経験を役作りに役立てることはなかったけれど、でも自分が経験したトラウマみたいなものをどう結論づけていくかとか、何か辛いことがあった時に、人とのつながりを断つとかっていう感覚は、直感的に理解できた」という。

「心を閉ざしてしまったエリカが、異国で誰にも心を開けなかったチャンゲスという一人の人間と出会って彼を愛し始め、彼が心の扉を少しずつ開けてくれたことで、エリカも、少しずつ癒されながら本当の自分を見つけていくの。愛は人と人とをつなげるもので、自分を知ることになる最も根本的な手段だと思う。でも、そのプロセスはものすごく長いし、簡単ではないの」。

「私は、『映画の役は役』って感じで家には持ち込まないタイプなんだけど、今回はちょっと違ったわ。すごくエモーショナルな役どころだったし、撮影が私が第2子を生んで2ヵ月半後くらいで(監督がケイトの出産を待っていた)、授乳中っていうのもあったのだろうけれど、精神的にも結構大変だったし疲れたわ。エリカが黒髪で洋服のトーンが抑え目だったりしたのも、ミーラー監督がエリカという女性を表現するために、詳細にわたって決めていたことなの。普段、ラブコメなんかだと、自分で服装とかヘアスタイルを自分流にしたりすることもあるんだけど、今回は完全に監督の言うとおりにしたのよ」と語ったケイト。

ミーラー監督も、「ケイトは有名だし、“カリフォルニアガール”“金髪”っていうイメージを払拭して、これまでとは違った人物に挑戦したいっていう気持ちがお互いにあったの」というとおり、ケイトスマイルもなく、外見からして“らしくない”スタイルで新境地に挑んでいるケイトだが、インタビュー中は椅子に乗せた足を抱えて、足をかいたりするなど終始リラックスした様子だった。

ストーリーさながらに、インド人のミーラー監督、パキスタン系イギリス人で超有名なラッパーでもあるリズ、カリフォルニア出身のケイトに、ロンドン出身のカナダ人俳優キーファー・サザーランドと、まさにインターナショナルなキャストがそろったのも本作の特徴だが、「この作品は、9.11というきっかけを通じて、人々が人種とか国籍を超えて、『自分はどうやって生きていきたいのか』『自分が生きたいように生きているのか』っていう本質を、多くの人々に問いかけているんだ。誰かを裁くのではなく、皆、同じ一人の人間なんだってことを描いている点が素晴らしいと思った。だからこの作品を見ることで、逆に人種の壁や偏見が取り払われることを願っている」と語るリズに、大きくうなずくケイト。

今後は『Born to Be King』『Everly』『Good People』『Me and My Shadow』と出演作が目白押しで超多忙だが、婚約者でミュージシャンのマシュー・べラミーとの結婚する心の準備も整っているそうで、一回り大きくなったケイトのますますの活躍が期待できそうだ。【取材・文 NY在住/JUNKO】