Lukas Gansterer

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取材・文・翻訳: 大智由実子 (Marginal Press)

 

- まずあなたのこれまでの経歴と、どのようにして『TISSUE』を始めたのか教えてもらえますか?

私は物心ついた頃から雑誌が好きでした。ドイツの南部にあるシュヴァルツヴァルト(通称「黒い森」と呼ばれるモミの樹が密生した森)の小さな街で育ったので、雑誌から得た情報が私の主な情報源であり、インスピレーション源でもありました。13年間フリーランスのアートディレクターとエディトリアルデザイナーとして働いて、稼いだお金のほとんどと私の愛情すべてを注ぎ込んで『TISSUE』を創刊しました。ときどきフォトグラファーとしても働いているのですが、自分がドイツのインディペンデント出版のシーンの中にいて、多くの良き友人たちや才能ある人たちに囲まれていることをとても幸せに思います。

 

- 『TISSUE』はどんな雑誌ですか?そしてあなたにとって『TISSUE』とは?

私たちは『TISSUE』のことを「ベッドルームで作られるアートとセックスのマニュアル」と言っていて、それがすべてを言い表していると思います。この雑誌はとても熱心な少人数のチームによって作られている、言わば手作りの雑誌で、私たちは無償で働き、その誌面作りに多くの愛情を注いでいます。コントリビューターたちと多くの支援者たちによってなりたっていて、誰でもプロジェクトのためにできることはします。私たちはそれぞれの本業の方で生活費を稼いでいるので。『TISSUE』はセクシュアリティーを基本としたアートと写真にフォーカスしていて、そのネットワークはいまや世界中の多くの友人たちと共にどんどん拡大していっています。私にとって『TISSUE』は自身の成長とインスピレーション、そして性の解放を視覚化したものです。私がやりたいと思うものなら何でも出来る完全なる自由のプラットフォームですね。3つの言葉で言い表すと、芸術・愛・自由です。『TISSUE』と共に夢を生きています。

 
Lukas Gansterer


 - 『TISSUE』に掲載されているアーティストのセレクションは毎号幅広くとても素晴らしいですね。どのようにしてこれらの世界中のコントリビューターたちを見つけ、アプローチしているのですか?

どうもありがとうございます。でも実は、優れていて面白いものの方から私に寄ってくるのです (笑) 私は言わばファンなので、アーティストやフォトグラファーたちとつながろうとしていて、その逆もしばしばあります。この13年間で培ってきたアーカイブの量はものすごいですよ。もちろん、何年かやっているうちにコントリビューターたちや支援者の人たちと次第に友達になっていくことも多いです。

 

- コントリビュートしているアーティストの中でも特におすすめの人はいますか?


Miroslav Tichy

まずは Lukas Gansterer、Maxime Ballesteros、Hanna Putz、Martin Eder、Walter Dahn と言った長年の良き友人でありコントリビューターでもある人たちです。私は彼らを完全に信頼をしていますし、彼らも『TISSUE』のスタイルをよく理解してくれています。Lukas は最新号の表紙と派手なタイツのセクシーなストーリーを撮りおろしてくれました。Maxime と彼のガールフレンドの Jen Gilpin (DSTM) はとてもファッショナブルでフェティッシュなボンテージ風のファンタジーを作り上げてくれました。そして Martin Eder は私たちの仲間である Chriso をダークで破滅的に撮りおろしてくれました。最新号では、男性器と女性の胸をテクスチャーとして使ってグラフィックを作る、Thomas Bayrle の70年代のシルクスクリーンプリントを紹介できたことをとても光栄に思いますね。それはある日、『TISSUE』のマネージャーの Melanie Jeske が事務所の近くの古本屋で Thomas Bayrle のビンテージのシルクスクリーンプリントを見つけてきて、私たちはそれに完全にヤられてしまい、そこから彼の初期の作品を掘り出してきたのです。それと、Miroslav Tichy の60年代の未発表のドローイング作品を紹介できたことも大変光栄に思います。


Maxime Ballesteros



Martin Eder


Walter Dahn


Thomas Bayrle


Thomas Bayrle

 

あと個人的には、こちらも最新号に掲載した、全裸で電車にグラフィティをするウィーンのアートパフォーマンス集団 A.ACTIVITIES がとても楽しそうで好きですね。こういった姿勢が『TISSUE』としては大好きなものです(笑)

 

2/2ページ: 「時代によって色あせることのない歴史的なドキュメントにしていきたい」

 

 


Hanna Putz

- 『TISSUE』のオフィスはハンブルクにありますよね。ハンブルクという都市について少し教えてもらえますか?

ハンブルクはドイツで一番美しい都市であると同時に、最も落ち着いた都市でもあります。自転車で10分もあればたいていのところに行けるなんて、とても贅沢ですよね。そして、人々もとても落ち着いています。みんな、「誰であるか」とか「何をしているか」といったことではなく「あなたがどんな人であるか」ということを愛してくれます。私はハンブルクに住んでもう13年になりますが、ここから離れたいとは思いませんね。すべての友だちがここにいますし。オフィスのあるレーパーバーンというエリアには有名な歓楽街があり、街の中心には時々潮の香りがする美しい港があります。問題なのは、このエリアの法外な家賃の高騰です。私たちはそれに対する抗議運動をしなければなりません。あとは、Kuraniche というクラブがあるのですが、それ以外にもあともう少し良いクラブがあれば言うことないのですけどね。

 

- これまでに日本に来たことはありますか?

実はまだ行ったことが無いのです!でも日本は『TISSUE』の一番大きな、熱心なマーケットなので是非とも行きたいと思っています。日本人は『TISSUE』をとっても良く理解してくれているので、いつか日本でリリースパーティーと展覧会を開催して、日本の読者とサポーターの方々に会ってみたいです。ドイツ文化センターなどの機関に私たちを招待してくれるようにかけあってみなきゃいけないですね。日本の皆さん、もうすぐ行くので待っていて下さい!

 

- 今後『TISSUE』をどのようにしていきたいと思っていますか?

『TISSUE』はフェティッシュとファッションの先端にある、旺盛な時代精神とアートと写真のために毎号ごとにパワーアップしていっています。いわば毎号がキュレーションされたグループ展のようなものであり、時代によって色あせることのない歴史的なドキュメントにしていきたいです。あとは、広告無しでも出版できて売り切れるような方法を見つけなければなりません。まずは正しいコラボレーション相手とスポンサーを見つけることですね。そうすれば、ムーブメントとなり私たちが成長していき、世界中でもっと展覧会を開催したりできるのです。みなさんも是非一緒に『TISSUE』をもっと成長させていきましょう!

Tissue
URL: http://tissuemagazine.com

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Uwe Jens Bermeitinger, editor in chief of TISSUE Magazine, at the release of TISSUE N°3 at 032c in Berlin on Feb 26th © Maxime Ballesteros © Lukas Gansterer