『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム』

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宝島社から2013年4月22日、『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム』が発売された。ノンフィクション作家・佐野眞一氏の盗用・剽窃問題について、関係箇所の対照表などを提示しながら「出版界のタブー」に迫っている。

「詫び状」の写真も

大阪市長・橋下徹氏の出自に関する週刊朝日の記事「ハシシタ 奴の本性」(2012年10月)が問題となったことを契機に、佐野氏は東京都副知事の猪瀬直樹氏からツイッターで過去の盗用疑惑を指摘されるなどしていた。

本書のサブタイトルは「大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相」。編著は、ノンフィクションライター・溝口敦氏とライター・荒井香織氏。

溝口氏は、「最も初期の被害者」として1985年当時に佐野氏から受け取った「詫び状」の写真も本書で公開している。荒井氏は2012年10月から、ネットメディア「ガジェット通信」で佐野氏の盗用疑惑について連続して報じた。

執筆陣には他に、「44カ所を盗まれた被害者」日隈威徳氏(宗教政治学者)らが参加している。また、佐野氏の作品で盗用・剽窃の疑いがある箇所140件以上を対照表にして掲載。荒井氏らは、「頬かむりして沈黙し続ける紙メディア」に対し、「出版業界にも『原子力ムラ』に似た隠蔽体質があることに気づく」と批判している。

価格は1200円。

一連の指摘を受け佐野氏は、月刊誌『創』(2013年4月号)で「『無断引用』問題をめぐる最初で最後の私の『見解』」を発表している。本書でもその旨指摘している。