英国のビクトリア駅構内。時刻表脇に動画広告が頻繁に流れていた。(撮影:竹川美奈子)

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 来年(2014年)1月から日本版ISA(少額投資非課税制度)がスタートする。これは個人の資産形成のための投資を優遇する税制を含む制度。簡単に説明すると、年間100万円(トータル500万円)まで、上場株式やETF(上場投信)、REIT(上場不動産投信)、公募株式投資信託などに投資した場合、売却益や配当・分配金に対する税金が非課税になる。非課税期間は最長5年間。これまで本則の20%から10%に軽減されていた株式などへの投資優遇税制が廃止されることに伴って、新たに導入される。

 この日本版ISAのお手本となっているのが英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)という制度。1999年4月から導入されて、個人の資産形成を促す制度として機能している。そこで、日本の制度について詳しく触れる前に、まずは英国の事情についてみていきたいと思う。

英国では人口の約40%がISA口座を保有している

 私がISAの視察で英国を訪れたのは2月中旬のこと。現地で、ISAを利用している個人や、投資信託の運用会社、プラットフォーム(日本だとイメージしにくいが、様々運用会社の投信を扱うスーパーマーケットのようなイメージ)、IFA(独立系のファイナンシャルアドバイザー)、メディアでパーソナルファイナンスを担当している方などに話をきいてきた。その模様を何回かに分けてリポートする。

 ロンドン・ヒースロー空港からホテルに向かうタクシーの中、同行者が運転手さんに「Individual Savings Accountを持ってる?」と尋ねたところ、答えは「ISA(アイサ)? 持ってるよ」。しかも、自分だけでなく、妻と24歳になる子どもISA口座を持っているという。翌日、英国在住の日本人女性に「ISA口座持ってます?」と聞いてみたところ、「銀行で勧誘されたので、Cash ISA(預金型ISA)は持っている」という答えだった。

 英国では、ISA口座開設者は2389万人と、総人口の38.4%を占めるほど普及している(非拠出者を含む、2009−2010年度)。そのため、わざわざ「Individual Savings Account」と正式名称を言わなくても、愛称である「ISA(アイサ)」で通じるのである。

 日本でそうした話は聞いていたが、実際に耳にしてみると「本当にISA(アイサ)で通じるんだ」と実感した(4月30日、日本での愛称はNISA(ニーサ)に決定したと発表があった)。

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