なんともあっさりと断念。相撲協会は4月3日、両国国技館内で臨時理事会を開き、3月25日に東京地裁が八百長問題で解雇された幕内蒼国来(29、本名恩和図布新、中国出身、荒汐部屋)の処分を無効とした判決について、控訴しないことを満場一致で決めた。相撲協会の全面敗訴だ。
 蒼国来は5月の夏場所は出場せず調整につとめ、次の名古屋場所(7月7日初日)から復帰する。廃業や解雇、除名された力士が再び土俵に戻るのは戦後初めて。

 それにしても、どうして相撲協会はこんなにも潔く引き下がったのか。
 「前理事長の放駒親方(元大関魁傑)と現理事長の北の湖とは、犬猿の仲とまでは言わなくても、不仲は明らかでしたからね。今年の2月、放駒前理事長は定年退職していますが、理事長時代あれほど強権をふるったのに、恒例となっている退職会見も拒否し、ひっそりと大相撲界を去っています。いずれ全面否定される日が来るのはわかっていたんでしょう。だから、今回の控訴断念についても話はしませんよ。もう相撲協会の人間じゃないもん、とまるで他人事のように語り、自分が主導したのに無責任すぎる、と猛批判されています」(担当記者)

 これで不幸な事件は一応落着したが、問題はむしろこれから。晴れて無罪となった蒼国来はさっそく4日からまわしを締めて土俵に降り、約3時間、四股や鉄砲、すり足などで汗を流した。
 しかし、2年のブランクは大きく、体重は解雇前と同じ135キロだが、おなかのあたりはたるんでブヨブヨ。これを元の引き締まった体に戻すのはたいへんだ。これだけ世間の注目を集めたのだから、結果、十両に急降下では話にならない。

 蒼国来は、八百長問題に弄ばれた悲劇の男から脱することができるだろうか。