骨粗しょう症がひどくなると、くしゃみや咳をするだけで骨折することもある。くしゃみをする直前、身体が上に引き伸び、くしゃみとともに身体は引き下がる。その上下の衝撃が骨折の原因となるのだ。防止するためにはくしゃみをする時、両手をテーブルやイスなどに当て、身体が上下しないように支えよう。

若くても腰痛に悩む人が多い現代。腰痛患者は身体が硬いという特徴がある。前屈して、手の平が床にピタっと付かなければ、腰痛になりやすいタイプと自覚しよう。

これは、下肢後面をつくる筋肉(膝の後ろにある筋肉)の総称“ハムストリングス”が硬いということになる。ハムストリングスが硬くてピンと張り詰めていると、膝関節や股関節、骨盤が前に回転する動きまでも硬くなり、腰の負担が増え、腰痛を引き起こすと言われている。

そこで今注目されているのが、「ジャックナイフ・ストレッチ」という方法だ。ジャックナイフとは、折り畳み式ナイフのこと。胸と太ももをぴったりと付けて、できるだけ膝を伸ばしていくストレッチなので、そのようなネーミングになった。

まず深くしゃがんで、足首をしっかりと握り、胸と太もも全面をぴったりとくっつける。その状態から膝をできるだけ伸ばしていく。その際、胸と太ももが離れないように注意しよう。このポジションで10秒間キープし、これを5セット行う。朝と夜の2回行えばより効果的だ。このストレッチを続けると、腰痛がかなり緩和できる。

高齢で骨粗しょう症になっている人は、ジャックナイフ・ストレッチはハードかもしれない。その時は、「アクティブ・ストレッチ」という方法を試してみよう。

まず、布団などの上で仰向けになって寝る。片方の脚を上げ、太ももの裏側を両手で支え、膝は曲げた状態にして、そのまま膝から下をググッと上げてストレッチをする。次に、もう片方の脚も同様にストレッチをする。

自分で膝を伸ばす方向に力を入れることで、膝の後ろにあるハムストリングスが自然な反射でリラックスし、自分自身で伸びようとして柔らかくなる。そうなると、膝関節、股関節、骨盤の動きがスムーズになるのだ。歩行もスムーズになるので、横転しにくくなり、骨折するリスクを下げることができる。

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