慢性的な腰痛で、背も縮んできたみたい……。腰痛からの骨折を防ぐには?

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厚生労働省調べによると日本人の病院受診理由は、女性第1位=肩こり、第2位=腰痛、第3位=手足の関節が痛むだという。また、男性第1位=腰痛、第2位=肩こり、第3位=鼻がつまる・鼻汁が出る、という結果に。男女ともに腰痛で悩んでいる人は多いようだ。

特に閉経後の女性は、高齢になるほど慢性的な腰痛が増えている。また、腰痛とともに猫背になり、背丈が縮むという傾向もある。帰省するたびに、身長が低くなっている母親を子供たちは心配しているが、どうすればいいのか分からないのが現状だ。

骨は成長期に活発につくられて20歳頃にピークを迎え、40歳くらいまでには成長が一定してくる傾向がある。その後、骨は成長期が終わっても代謝を繰り返す。骨を壊す働きをする“破骨細胞”が骨を吸収する一方で、骨をつくる働きをする“骨芽細胞”が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨を形成する。

女性ホルモンのエストロゲンは、骨の代謝に大きく関与している。閉経を迎え、エストロゲンの分泌が激減すると、骨の形成が“破骨細胞”による吸収に追いつかなくなって骨量が減り、それが骨粗しょう症の原因となる。

骨粗しょう症は骨折を起こしやすい状態になっているにも関わらず、自覚症状はないのが特徴だ。特に高齢の女性は、背骨がつぶれるような“圧迫骨折”になっている場合もある。強い痛みが生じないので、骨折に気づかない人もいる。また、くしゃみをしたり、尻もちをついたりする程度の衝撃で、骨にヒビが入ることもある。

背骨の圧迫骨折は徐々につぶれて変形するので、背中が曲がったり、身長が縮んだり、慢性的な腰痛を引き起こしてしまう。

つまずく程度の軽い衝撃でも、骨粗しょう症の人は足の付け根を骨折することがある。そうなると歩けなくなり、寝たきりになってしまうこともある。

男性が要介護になる原因の4割が、高血圧、高コレステロール等による脳卒中であるのに対し、女性の3割は運動疾患が原因。介護予防には、男性はメタボに気をつけ、女性はロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下ロコモ)に気をつけることが重要だ。

ロコモとは、2007年に日本整形外科学会が提唱した言葉。ロコモは加齢に伴う筋力の低下、関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより、運動器の機能が衰えて要介護や寝たきりになるなど、そのリスクの高い状態を示している。

どのように対策をしたらいいか。まず女性の場合、閉経前後で変わってくる。閉経の平均年齢は約50歳。閉経までは骨の形成に必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどを含む食品を意識しながら、栄養バランスのいい食事を心がけたい。

カルシウムを多く含む食品は、干しエビ、煮干し、パルミジャーノ・レジャーノ(=パルメザンチーズ)、えんどう豆など。カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると、吸収されやすくなる。ビタミンDを多く含む食品は、きくらげ、しらす干し、イワシのみりん干し、イクラ、サケなど。ビタミンKは、カルシウムが骨に付着するのを促す作用がある。ビタミンKを多く含む食品は、抹茶(粉)、ひきわり納豆、乾燥したカットわかめ、パセリ、シソなどだ。

ただし、閉経を迎えてからは、どんなに骨の形成に必要な食品を摂っても、骨を壊す破骨細胞の働きが優位になってしまう。閉経後の女性は健康な人であっても整形外科を受診し、ドクターが処方する骨粗しょう症を予防&改善する薬を服用した方がいい。

骨粗しょう症予防には、ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなど、骨に重力をかける運動がオススメ。この重量が骨量を保つ。しかし今現在、骨粗しょう症で腰や背中に痛みがある人は、すぐドクターに診てもらい、コルセットを装着するなどの対策をとるようにしよう。