FX(外国為替証拠金取引)初心者の人やFXに興味を持っている人に、生き残るため、「これだけは覚えておくべき」というヒントをお金の総合サイト「マネーアイデア」を運営する吉田文吾氏が解説。今回は期待値を計算して売買を行なう方法について考えてみよう。

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 単勝オッズ1.1倍の馬にあなたは賭けるのか? それとも単勝オッズ20倍の穴馬に賭けるのか? 

 値幅のことを考えずに勝率だけで取引をしていないか振り返ってみよう。

 為替・株式など投資にはオッズ(賭けの倍率)が表示されません。競馬で本命(一番人気)が勝つ確率は3割から4割程度で、平均オッズは2〜2.5倍といったところ。上手くできたもので単純に一番人気を買っているとトータルで損をしてしまう仕組みになっています。逆に穴馬の勝率は低く、オッズは高いですよね。そして本命馬が好きな本命党と穴馬好きな穴党がいるわけです。

 ところで、為替相場では、あなたは本命党でしょうか? 穴党でしょうか?

 為替取引にオッズはないので、相場が上昇するか下降するかを当てることだけを考えて取引していないでしょうか。勝率と値幅の両方から売買の判断を行ない取引してみましょう。

 競馬に例えてみると、「勝率は高そうだが、値幅はほとんど期待できない=本命党」「勝率は低そうだが、値幅は大きく期待できる=穴党」にたとえることができます。今は下がる確率が高いが下値は限られそうで利幅は小さい。それよりも上がる確率は低そうだが値幅は大きそうだ。このような時にどちらの方向で取引をすれば良いか悩みどころです。

 売買するかどうかの判断として、勝率と期待値を掛け合わせてみることをお勧めします。 例えば、「A:勝率30%×値幅6200円=期待値1860円」「B:勝率50%×値幅2500円=期待値1250円」。

 このAとBでは「A」の期待値の方が大きいといえます。かのウォーレン・バフェット氏も「損失が出そうな確率に損失の金額を掛け合わせたものを、利益が出そうな確率に利益の金額を乗じたものから引いてみる。それが、われわれがやっていることだ。完全に予想することなどできないがそれしかない」といいます。

 勝率を上げる方法や値幅を考える方法は別の機会に譲るとして、期待値を計算して売買を行なうかの判断や利食い・ストップの判断を行えば熱くならずに取引できる効果もあると思いますよ。

 押し目待ちでなかなか買えない、少し上がると利食いをしてしまう。相場は自分の心との戦いと分かっていても実際には上手くいきません。

 そこで売買のタイミングに悩む方は、とにかく分散して買ってください。もし、トータルで10万ドルのポジションを持てる資金力があれば、10万ドルを一挙に買うのではなく、今日3万ドル、明日3万ドル、明後日3万ドルというふうに買うタイミングを分散しましょう。底値で買う、押し目で買うなどと難しい事を考えるより分散することと売買に慣れることです。

※マネーポスト2013年春号