元営団地下鉄日比谷線の車両を使用していた長野電鉄屋代線(『母の唄がきこえる』)/[c]『母の唄がきこえる』製作委員会

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ローカル線の魅力といえば、どこか郷愁を誘われるその佇まいにある。本線で既に引退した旧式車両が使用されている路線もあり、少し古びた電車がのどかな景色を走っていく姿は、何ともいえない風情が漂うものだ。絵になる風景だからこそ、ローカル線をモデルにした映画も多く作られており、高倉健が主演した『鉄道員 ぽっぽや』(99)をはじめ、近年では地方路線の運転士を主人公にした『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(10)が年配層を中心にヒット。すぐに続編『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(11)が製作されたことは記憶に新しい。

【写真を見る】“ことでん”と呼ばれる高松琴平電気鉄道のレトロ車両も登場(『百年の時計』)

そして、今年もローカル路線の電車が登場する映画が次々と登場している。現在公開中の『母の唄がきこえる』は、昨年3月に廃止となった長野電鉄屋代線を舞台にした物語。地元の鉄道路線が廃止になることを知った姉妹が東京から長野へと帰郷するさまを、車両整備士の父の視点から描いている。屋代線が実際に廃止になる瞬間まで捉えており、今はなき沿線風景にどこか寂しさを感じる人も多いだろう。

また、5月25日(土)より公開される『百年の時計』は、“ことでん”の愛称で親しまれている高松琴平電気鉄道の、路線開通100周年を記念して製作された作品。大正時代に製造された貴重な車両が今でも運行し、「鉄道の歴史遺産」と言われていることでんのレトロ電車で育まれた切ない初恋の記憶が、金子修介監督によって温かく描かれている。

もはや、鉄板ジャンルといえるローカル線と家族ドラマの組み合わせ。多くの人々の思いやドラマが刻まれた電車が走る姿には、鉄道ファンでなくても、ぐっときてしまうはず。なかなか遠出できない人も、思わず懐かしい気分にさせられるローカル線を見に、映画館に出かけてみては?【トライワークス】