深田晶恵(ふかた あきえ)  ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年、北海道生まれ。外資系電機メーカーを退職後、96年にFPに転身。日本経済新聞、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。国土交通省「住宅ローン商品改善ワーキングチーム」および「消費者保護のための住宅ローンに係る情報提供検討会」、住宅金融普及協会「住宅ローンアドバイザー運営委員会」委員を歴任。こうした委員会で金融機関と不動産事業者に住宅ローンのリスクの説明を義務づけるガイドライン作りを提唱するのが目下のライフワーク。主な著書に『30代で知っておきたい「お金」の習慣』『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』他多数。  twitter:http://twitter.com/akiefukata   生活設計塾クルーhttp://www.fp-clue.com/

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景気回復、さらに来年4月からの消費税導入、史上最低金利の今、家を買うなら今がチャンス!と考える人たちが急増中。しかし住宅ローンは大きな借金です。最近、巷でよく聞く「住宅購入の理由」が本当に正しいのか、『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂4版』を上梓した、住宅ローンの専門家である深田晶恵さんに語っていただきました。
「結婚したから」「子どもが生まれるから」といった理由で家の購入を決意するのがダメな理由とは…。

「結婚と同時にローンを組んで家を買う」
というのは、実は非合理的!

 私はFPとして16年以上に渡りマイホーム購入の相談を受けていますが、近年、一昔前とは家の買い方がずいぶん変わっていることが気になっています。「結婚したから」「子どもが生まれるから」といった理由で、若いうちに住宅ローンを組み、家を買う人が増えているのです。

 結論を先に言えば、ライフプランニングの観点からは、結婚や出産を機に家を買うことはお勧めできません。こう聞くと、今30代くらいの人は「結婚や出産のタイミングで家を買って何が悪いの?」と不思議に思うかもしれませんが、そもそも、かつては「若いうちにローンを組んで家を買う」ことが当たり前ではなかったことをご存じでしょうか。

 今から5年ほど前までは、住宅ローンを組む際は頭金を入れるのが一般的でした。頭金に充てられるだけのお金を持っていなければ、住宅ローンを組むことができなかったのです。このため、結婚して間もない若い夫婦は、まず貯蓄に励み、30代後半くらいになって頭金が貯まったところで家を買うというパターンが一般的でした。

 30代後半というのはちょうど家族構成が固まるタイミングでもあり、「夫婦と子ども2人、家族4人で暮らせる家を買おう」というように、各家庭の事情に合った物件を選ぶことができます。この頃の住宅購入スタイルは、ある意味では「頭金を貯めなくてはならない」という制約のおかげで、自然に合理的なものになっていたと言えるでしょう。

 ところが、近年は頭金ゼロでも住宅ローンが組めてしまいます。これは、金融機関の間で住宅ローン獲得競争が激化した結果、「頭金ゼロでもOK」とする金融機関が増えたためです。「頭金ゼロ」が可能になったことで、まとまった貯蓄のない若い夫婦でも住宅ローンを組めるようになってしまいました。

頭金ゼロで家を購入するのは
利息が多く、返済期間も長くなる!

 本来は、いくら金融機関が頭金ゼロでいいと言っても、住宅ローンを借りる際はまとまった頭金を入れるべきです。頭金がなければその分だけ借入額が大きくなりますから、利息負担が増え、返済期間も長くなってしまいます。

 ところが、20〜30代の人たちは「頭金が必須」という意識が薄いようです。「銀行が頭金ゼロでもいいと言っているのだから、入れる必要はない」と思ってしまうのでしょう。しかし、銀行だって本音では頭金を入れてほしいのです。計画的に頭金を貯められた堅実な人であれば、住宅ローンの返済が滞るリスクは小さいと考えられます。「頭金ゼロでOK」というのは、あくまでほかの金融機関との競争に負けないための施策であることを知っておくべきでしょう。

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