現役大学生放送作家としてテレビの枠を超えて活躍中

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ハイパー学生のアタマの中 Vol.19

東京理科大学 渋谷 悠佑さん

現役大学生放送作家として幅広く活躍している東京理科大学の渋谷悠佑さん


■「自分の居場所は自分で作ろう」と、憧れだったテレビの世界へ

現在は会社を経営しながら、放送作家、CM監督、企業やイベントのプロデュース、経営コンサルティングなど幅広く仕事をしています。その最初のきっかけは、中学・高校時代に受けたいじめです。

学校にも家にも自分の居場所がなく、「だったら自分で居場所をつくろう」と思っていました。そんな僕を癒やしてくれていたのが、テレビドラマです。「いつか自分もドラマに出てみたい」と思って、大学入学後にボランティアエキストラに応募し、1年間で150回くらい参加。その現場で知り合った監督さんに声をかけられ、準レギュラーとして俳優デビューできることになりました。

ドラマに出るうちに、自分でも番組を作ってみたいと思うようになり、番組作りにかかわるすべての仕事を体験してみようと思いました。交流会で知り合ったディレクターの誘いで脚本を書くことになり、有名な脚本家の方に弟子入りして、FM局のラジオドラマの脚本を2本担当。それから放送作家を目指し、テレビ局のコンクールに応募。そこでの入賞を機に、番組制作スタッフとして制作会議に呼ばれるようになりました。

朝から晩まで何時間も会議をして、番組を作っていく。「明日までに企画を100本提出」「キャッチコピーを300本考える」とか、ものすごいスパルタで(笑)。学業との両立は相当きつかったですね。

その後は、友人に頼まれて、僕のそれまでの経験から得たノウハウを商材にまとめて制作するということもしました。セミナーを開いて講師もしましたが、受講者がわずか一週間で作家デビューしてしまうなど、結構評判になったんです。そして、それを機に企業のプロデュースの案件や商品企画、経営コンサルティングなどの依頼が来るようになりました。かつて自分が所属していた芸能事務所からも声がかかって、顧問を務めることにもなったんです。

周りからは「ややこしい」と言われるくらい(笑)、とにかくいろいろなことを同時並行で手がけるようになって。そして、そうしたいろんな仕事を一括してできるようにと、2013年3月7日に起業し、Next Culture Inc.という会社を立ち上げました。

こうした大学入学後のすべての活動の原動力になっているのが、ひと言で言えば「ハングリー精神」。いじめていた人たちを見返してやりたいという気持ちです。

もちろん、与えられたチャンスで成果を出すために、人並み以上に努力はしてきました。仕事としてやるわけですから、結果を出さなければいけません。かなりきつい課題を出されることもありましたが、それを我慢して乗り越えてきた自分がいるので、「次も絶対に大丈夫だ」という気持ちで何事も取り組んできました。

僕が日々一緒に仕事をする経営者やプロデューサーの方々、俳優の友達などは本当に尊敬できる人ばかり。年上の方がほとんどで、仕事の仕方や考え方にすごく影響を受けますし、逆に「でも誰にも負けない!」という気概で毎日やっているんです。

実力がものをいう世界。学生のうちからこのような世界で叩き上げられてきたことで、年齢や学歴は関係なく、認められれば人と対等に話せるんだということがわかりました。

僕は周りからはよく、人の心をつかむのがうまいと言われます。わからないことはすぐに聞きますし、何でもよく相談する。人との距離感をはかるのも得意で、敬語を使うよりも友達感覚で接した方がいいと思えばそうします。常に人に対して興味を持っていますから、全然知らない人でも、気になったらついつい話しかけちゃうんです。

約束して人と会う時も、事前にその人のことを入念に調べますし、会ってからも話をよく聞き、逆に相手へのアドバイスをどんどんしたりして、お互いをブラッシュアップさせるように努めています。だから一度会っただけでも中身が濃くて、例えば初めて会ってから一週間くらいで「イベントやろう!」と物事が決まってしまうこともしょっちゅうなんです。

基本的にずっとアクティブに動いているので、休みの日もあちこちに出歩きます。仕事のアイデアが浮かぶのは、そうして歩いている時が多いかもしれません。目に映るものすべてに興味がありますから、例えば自動販売機を見ても「もっと違う売り方ってできないかな?」と考えてみたり。リサーチするときも、街の中や学校で人を捕まえて、生の声を聞くようにしています。人の意見は、何にも増してリアルですからね。


■プロデュースという仕事を通じて、地元の地域活性化に貢献したい

今後、僕が力を入れていきたいのが、「Next Culture」と題した、次の文化を作る取り組みです。利用者の「衣」「食」「住」「職」「美」「楽」という6つの分野を総合的にプロデュースするサービスで、例えば利用者が検索エンジンに「衣(服)をプロデュースしてほしい」と書けば、その人のSNS上の情報と連動して、「あなたに必要な要素はこれだから、このファッションブランドに行けばいいですよ」という情報が得られるというもの。分野ごとにいろいろな企業と提携して、利用者ができるだけお金をかけずに情報やサービスが受けられる仕組みを作りたい。最終的に6つの分野のすべてが満たされて「あなたをプロデュースできました」となるような、新しいことができたらいいなと思っています。

その一環として、まずは僕が総合プロデュースを担当している「モテコーデ変身プロデュース」を広げていきたいと思っています。ファッションブランド「WOmB(ウーム)」と組んだプロモーションで、読者モデルに服装をコーディネートしてもらえたり、芸能人が商品開発した洋服が買えたりするもの。企画したタイアップイベントを通じてブランドへの興味喚起や、売り上げ増を実現させます。

何より、おしゃれに自信のない人が「プロデュースしてもらえるなら」とファッションに興味を持つようになったらうれしいですよね。これは「衣」の話ですが、ほかの5つの分野についても、同じように取り組んでいきたいと考えています。

ただ、こうしたサービスは、もっと大きな会社でお金をかけてやった方が、世の中の人のためになるのかなという気持ちもあるんです。だから、大学卒業後は別の会社に就職しようと考えています。自分のサービスをより多くの人に使ってもらえるように、大きな会社に入りたいんです。

例えば、実力主義で出世可能な大手ベンチャーに就職して、最年少リーダーを狙ってトップをとるとか。今のサービスは、企業買収を積極的に行う会社に買ってもらおうかとも考えているんです。すでに出資の話も来ているので、僕が残りの大学生活で会社のメンバーと土日に運営しながら少しでも知名度を上げていければと思っています。

そして、その先の野望としていつか実現したいのが、僕の生まれ育った長野県の活性化です。長野の素晴らしい野菜をもっと東京で売ることができる仕組みを考えたり、逆に長野で自分のお店を持ちたい人をプロデュースしたりして、地域活性化に貢献したい。国から補助金がおりる仕組みをうまく取り入れられれば、もっと長野の人もいろいろなことがしやすくなると思うんです。

そんな新しいサービスが実現した時に、きっと僕をいじめていた人たちも、「あのときのアイツがこれを考えたのか」とハッとすると思うんです。実は、いじめの経験をバネに頑張っている卒業生がいるというのが、母校で広まっているらしくて。まったく知らない後輩から連絡が来て、教えてもらいました。

今、もしいじめられている人がいたら、その人には「実はチャンスなんだ」と教えてあげたい。自分のこれまでの経験を、こういうところでも生かすことができたら、すごくうれしいですよね。