LTEは便利だし、基本料金だけ見るとそれほど割高ではないのだが、通話料金が超割高なのだ

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iPhone5の登場などで、すっかりおなじみになった新通信規格「LTE」。便利なのは間違いないが、各キャリアとも無料通話のつくプランを用意せず、月々の支払いが以前よりも跳ね上がるケースが相次いでいる。

しかし、その原因は高速通信技術にはない。ITジャーナリストの三上洋氏が説明する。

「実はLTEプランは、高速通信技術とはまったく関係のない通話料が超割高なんです! 通話料は3社(ドコモ・au・ソフトバンク)とも足並みそろえて30秒21円。うっかり1時間話してしまうと、2520円にもなる。同じキャリア同士であれば通話料無料になるオプションもありますが、同じキャリア以外の通話は詐欺同然ともいえる高さなんですよ」

こうして、LTEが普及したこの1年ほどで、通話料が以前よりも高くなってしまったという声が多く挙がる状態になっている。

「私はそこに、キャリア3社の姑息な狙いがあると思っています。まず、ユーザーが最初に気にするのが月々の基本料金ですが、LTEプランの基本料金はそれほど割高感がないため契約してしまう。契約時に通話料金の説明はしているでしょうが、わざわざ超割高であることを強調せず、さらっと伝えるケースが多いはず」(三上氏)

しかし、いざ使い始めると、高額な通話料が大きな負担になるというワケだ。

「いつもより高額の請求金額が来たときに、総額だけを見て、便利なLTEプランは高くつくんだとなんとなくあきらめてしまい、そのまま放置してしまっている人が少なくないのでは」(三上氏)

LTEプランの“落とし穴”はまだある。

「しかも、LTE以前のプランには『無料通話×分』というのがついているのが一般的でしたが、LTEプランではそのサービスが撤廃されているのも落とし穴。また、固定電話への通話料も3社統一の30秒21円なので、携帯電話にかけるよりも固定電話にかけたほうが安いと刷り込まれている人は、ここにも要注意ですね」(三上氏)

ドコモのLTEサービス開始は約2年半前、ソフトバンクやauのLTEサービスも開始から半年以上たっている。にもかかわらず、このような構造に気づいている人はまだまだ少ないと三上氏は言う。

「この料金構造を知らないまま、LTEプランで通話しちゃってる人はかなり多いと思います。基本料金をさほど上げないことを目くらましにして、その分、さりげなく通話料を上げて収益を補塡しようといういやらしい方法ですからね」

最近、ケータイの使用料が高くなっていると感じている人は、一度自分の明細書を詳しくチェックしてみるといいだろう。

(取材・文/昌谷大介 武松佑季[A4studio])

■週刊プレイボーイ18・19特大合併号「バカ高なLTE通話料を劇的に安くする方法!!」より