松嶋菜々子演じるSPの白岩は原作では男性だったり、多少の変更はあるものの、原作に忠実に映画化されている/[c]木内一裕/講談社 [c]2013映画「藁の楯」製作委員会

写真拡大

10億円という懸賞金がかけられた連続暴行殺人犯の身柄を守るため、彼と共に福岡から東京へと移動する5人のSPと刑事からなるチームの苦悩を描いた『藁の楯 わらのたて』(4月26日公開)。大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也ら、そうそうたる顔ぶれによる本作は、鬼才・三池崇史がメガホンを握るエンターテインメント色の強い一作だが、その原作を手がけた人物をご存じだろうか?

【写真を見る】本物の新幹線内での銃撃戦なんて前代未聞!

その名は木内一裕。どこかで聞いた事があるけど、と感づいた方もいるだろう。そう、清水宏次朗&仲村トオル主演で『ビー・バップ・ハイスクール』(85)として実写映画化されるや、ツッパリ映画ブームの先駆者となった人気シリーズ「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者である、きうちかずひろなのだ。漫画家として活動する傍ら、Vシネマの『カルロス』(91)で映画監督としてデビュー。自ら映像化するのは難しいものの、構想として面白そうなものを小説にしたらどうかというきっかけで生まれたのが、本作の原作「藁の楯」なのだ。

そんな作者の頭の中でスケールアップした本作には、新幹線での犯人の移送や、封鎖された高速道路での爆破シーンなどが登場する。三池監督らスタッフは木内の原作をなるべく生かし、映像化することを念頭に置き、日本では撮影不可能な新幹線での撮影を、場所を台湾に移して撮影に挑んでいる。

「BE-BOP-HIGHSCHOOL」と『藁の楯 わらのたて』、一見結びつかないほどようにも思えるが、そこには漫画家ならではの特徴がある。それは本作に限らず、木内の原作は頭の中で映像化しやすいように仕上がっていること。漫画や映画というアプローチを経ているのもあるが、着ている服の色といったディテールなどを排除し、相手に伝える情報を必要最小限にとどめることが功を奏しているのだ。壮大なスケールの物語がどのように映像化されているのか、本作を見た後でも構わないので、是非原作本もチェックしてほしい。【トライワークス】