サラーム・ムンバイ ボリウッド映画を求めて 三泊四日の突撃ムンバイ・レポート =2=

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◇ボリウッドの帝王は撮影で不在。それでもファンは押し寄せる。

信じれば、きっと、叶う。誰もが幸福な気分に満たされるボリウッド映画の傑作『恋する輪廻』は、生まれ変わりをテーマに、映画作りの現場を通して想いを叶えるボリウッド・ファンタジーだ。シャー・ルク・カーンが売れないエキストラ青年とボリウッドのスーパースターの二役を演じている。


役名は共にオームで、原題が「オーム・シャンティ・オーム」。女性監督ファラー・カーンの演出で、ボリウッドスター30人以上が登場するパーティーシーンは圧巻。「35人に声をかけて、30人は即OKをもらった。彼らの90%はシャー・ルクを尊敬し、10%は私を愛してくれたのね」(劇場パンフより)と監督は笑う。
『恋する輪廻』に映画授賞式の場面がある。セレブたちが行き交う中に、昨年惜しまれながら急逝した名匠ヤシュ・チョプラ監督の姿も見える。

命知らずの爆弾処理エキスパートと若きストリート・ミュージシャン、このふたつのキャラクターをシャー・ルクが演じた『命ある限り』は、チョプラ監督の魂の遺作となった。
川で溺れかけたTV局の見習いアキラは、陸軍少佐サマルに助けられる。彼が置き忘れた、胸に秘めた切ない想いが綴られていた日記から、サマルと宿命の女性ミラとの、時を越えたロマンスが紐解かれていく。ミラをカトリーナ・カイフ、日記を通して彼に惹きつけられていくアキラを新星アヌシュカ・シャルマが演じている。 ロンドンとインドとパキスタン国境、そして秘境ラダックを一大ロケし、アカデミー賞受賞のA.R.ラフマーンのスコアが切なさを加速させる。




ボリウッド映画の魅力について、アヌシュカ・シャルマはこう指摘する。「最大の魅力は感情的な部分かしら。インド人の豊かな感情表現だと思う。音楽も魅力よね。それから、若くて新しい才能の活躍。監督だけでなく、製作陣、俳優、脚本家たちが、新しい何かを映画にもたらそうとしているボリウッド映画は、今とてもエキサイティングな状況なの」

余談だが、ムンバイで訪れるべき場所のひとつに「キングの家」がある。週末には全土から数多くのファンが押し寄せるその家は、シャー・ルクの家。
通りに面した表札には「MANNAT LANDs END」と記され、記念撮影をする人がたえない。我々が訪れたとき、主人は映画ロケのために不在だったが、彼のために脚本を書いたという青年がいた。早速TVの取材クルーが取材を始める、瞬く間に人だかりが出来た。更に余談だが、「次は腹筋を割る」と女性監督と約束したシャー・ルクは、水すら飲まずにストイックな身体を作り上げ『恋する輪廻』の撮影に臨んだ。劇中歌"ざわめくディスコ"で見せる「割れた腹筋」には、ファンに最高を届けようとするキングの役者魂が宿っている。

続く

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム 公式サイト http://www.uplink.co.jp/oso/
ボリウッド4 公式サイト http://bollywood-4.com/ 

【関連リンク】
サラーム・ムンバイ ボリウッド映画を求めて 三泊四日の突撃ムンバイ・レポート =1=
http://news.aol.jp/2013/04/15/bollywood-movie-1/