初来日を果たしたウォルター・ヒル監督

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数多くのアクション映画を手がけ、一時代を築いたウォルター・ヒル監督が4月22日、都内で記者会見を行った。シルベスター・スタローンが主演する10年ぶりの新作「バレット」をプロモーションするためで、71歳にして初来日。「若い頃から黒澤明、小津安二郎、溝口健二ら名監督の作品に親しんできた」と感無量の面持ちだ。過去には黒澤監督の「用心棒」をハリウッドリメイクした「ラストマン・スタンディング」(1996)のメガホンをとっており、「完成後、黒澤監督からお手紙とサインが入った写真をいただいた」と懐かしんでいた。

スタローン演じるジミー・ボノモは、生きるために40年間も悪に手を染めてきた殺し屋。何事も銃で解決してきた男が、唯一打ち解けた相棒の復しゅうを果たすため、刑事のテイラーと手を組むが、ふたりの行く手には警察やマフィアが立ちはだかり、殺し屋キーガンとの死闘が待ち受けていた。

メガホンをとるのは、2002年の「デッドロック」以来。ヒル監督は「最後の数本には満足できない部分もあって、監督業に疲れてしまった。それにいくつか企画もあったが、資金調達がうまくいかなくてね。休みを取る時間だなと思ったんだ」と映画界を離れた理由を説明し、「そんなある日、スタローンから電話があり、脚本が送られてきた」と振り返る。

長年親交があったというスタローンとは、意外にも初タッグで「70年代、80年代のアクション映画にオマージュを捧げたいという意見で一致した。いわゆるレトロ映画ではあるが、その精神にモダンな要素を盛り込もうと思った」という。現場でのスタローンについて、「今回は一役者に徹してくれて、演出に口を出すことはなかった。本人も認めているけど、常に現場の監督とうまく折り合いがつけられるタイプじゃないからね(笑)。彼は非常に個性が強い俳優だが、今回はあえて抑制した演技を求めたよ」と明かしていた。

次回作に質問が及ぶと「聞いてくれてありがとう」と茶目っ気を見せ、「この10年くらいで、映画作りの環境は大きく変わった。これまで“特権的”だった映画製作が、テクノロジーの進歩によって、すそ野が広がったおかげで、古いシステムは終わりを告げようとしている。それはベターな変化だと思う」と持論を展開。「もちろん、一番大切なのはストーリーテリング。私自身は決して若くないが、以前に比べると映画製作をポジティブに捉えている。映画の未来は、今ここにあるんじゃないかな」とさらなる監督作に前向きな姿勢を見せていた。

「バレット」は6月1日から全国で公開。

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