フィリピンのマクドナルド、 甘いミートスパに握り飯付きチキンで大賑わい

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世界中どこにでもあるため自らを「故郷の味」と宣伝してはばからない、マクドナルド。日本でも「月見バーガー」という本家アメリカでは食べられないメニューがあるが、フィリピンには私たち日本人からすると、「別にマクドナルドで売らなくても……」というメニューがちらほら。それは一体どんな商品なのだろうか。

ファストフード業界において圧倒的な資本と世界中での業務展開を誇るマクドナルドは、文句なくトップ企業と言えるだろう。だが実は、規模において地元企業のチェーンに勝てない国もあるという。それが、フィリピン。マクドナルドと料金的にもたいして変わらないのに、「Jollibee(ジョリビー)」のシェアはマクドナルドを上回るのだとか。マクドナルドはフィリピンにおいては特に並々ならぬ努力を強いられているのだろうな、と想像できる。

というわけだから、メニューにはかなり力が入っているはず。特徴的な商品は、「ライス」と「スパゲティ」の2品だ。そう、ハンバーガーではないのである。

「ライス」は言わずと知れた「ごはん」、しかも単なる白飯である。チキンとのセットになっており、「Chicken McDo(チキンマクド)」の1ピースもしくは2ピースを注文するとついてくる。セット内容はソフトドリンクにフライドチキンとライス、グレービーソースとシンプル。飲み物のサイズによって価格が違うが、チキン2ピースとMサイズのドリンクのセットなら153ペソ(約310円)と、1食としては格安である。ライスだけを注文することができないのは、マクドナルドにおいてバンズだけを注文することができないのと同じ理由であろう。

ライスはハンバーガーと同じような紙で包んであり、とてつもなく熱いので要注意だ。握り飯のようにぎゅっと真ん丸にまとめられ、ほかほかである。箸はなく、フォークでぽろぽろと崩しながら食べるのだ。チキンは衣がガリガリと大変な歯ごたえである。鶏肉のうまみが強く、それ自体が美味ではあるものの実は特に味がついていない。グレービーソースも薄味で、揚げ物とはいえ塩分控えめの健康志向の印象。人気商品のようでこのメニューをチョイスする人がけっこう多く、男性ならハンバーガーと組み合わせて食べている人も。……めちゃくちゃカロリー高そう。「健康志向」発言は撤回である。

そして、問題は「スパゲティ」である。「マックスパゲティ」と称され、サイズは1つ。こちらもソフトドリンクとのセットでわずか50ペソ(約100円)。メインではなく、あくまでも付け合せなのだろう。ふたを開けてみると、ふにゃふにゃのパスタのうえにマッシュルームとミンチ肉が少し入ったミートソースがかかっている。ファストフードのパスタにアルデンテとか期待する方が間違っているわけで、ここで問題にしているのはパスタの茹で具合ではない。このソース、甘いのだ。以前、トマトジャムを食べたことがあるが、これも本当に砂糖で煮込んだのでは、というくらい甘い。「あ、甘すぎる! 信じられん!!」と口々に騒ぐものの、後引く味。ついつい一口、また一口と食べたくなってくるのが不思議だ。

甘しょっぱい味付けが流行っている昨今、ここにもそのブームが……ということではなくて、フィリピンの料理にはそこはかとなく甘すぎるものが多く、現地の味に合わせたらこうなったのだと思う。かくいうフィリピンの人気バーガーチェーン、ジョリビーのハンバーガーもナゾの甘いソースが味の決め手となっている。甘い味付けはフィリピンでは必須なのだ。

今回は空港近くのリゾートワールド内にあるマクドナルドで食事をしたのだが、満席のうえ注文カウンターには次々に列ができており、かなり人気があることがうかがえる。時折ショットガンを携えた警備員が店内を見回っているものの、お客はOLやビジネスマン、学生風の若者たちと日本のマクドナルドと変わらない風景だ。ただし、ソフトクリームにポテトをつけて食べている人が何人もいるところを除けば。甘しょっぱいものが好きな人は、ぜひフィリピンへ。おすすめである。