投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、4月22日〜4月26日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、G-20財務相・中央銀行総裁会議で黒田東彦日銀総裁の異次元の量的・質的金融緩和を受けた円安が黙認・容認される可能性が高いことで、100円乗せを予想する。本邦機関投資家が資金運用計画で外貨建て資産への資金配分を増額するとの観測、朝鮮半島の地政学的リスクが高まっていることも円安要因となる。

【本邦機関投資家の外貨建て資産への投資増額】
 本邦機関投資家の今年度の資金運用計画では、安倍政権のリフレ政策、G-20財務相・中央銀行総裁会議での円安黙認を受けて、外国債券・株式への投資配分が増額されることが予想されている。

 また、外貨準備を運用する海外の中央銀行や政府系ファンド(SWF)は、円を保有するリスクを回避しつつあり、資金流出懸念が高まっていることも、円売り要因となる。

【黒田プットオプション(行使価格100円、期間2年間)】
 オバマ米政権が、対アジア戦略、環太平洋経済連携協定(TPP)戦略で安倍政権のリフレ政策を支援していることで、黒田日銀総裁の2年を目処とする異次元の量的・質的金融緩和が円安を加速することが予想される。日米マネタリーベースの増加率から、2013年末のドル・円相場は105円処、2014年末は110円処、2015年末は、インフレ率2.0%到達とした場合、120円が予想されている。

【日本銀行金融政策決定会合】(26日)
 日本銀行は、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、物価見通しを上方修正し、今後2年で2%の上昇率をめざす物価目標の達成に向けた具体的な道筋を示すことが予想されている。2014年度平均の消費者物価上昇率の見通しを従来の0.9%から1.5%前後に引き上げ、予測の期間を従来より延ばすなどして15年春にも2%に達すると明示することを検討する。ドル・円は、展望リポートを受けてドル高・円安に推移すると予想する。

【米国の1−3月期国内総生産(GDP)】(26日)
 米国の1−3月期国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率+3.0%と、10-12月期の前期比年率+0.4%から改善することが予想されている。しかしながら、4-6月期は「中だるみの法則」により減速が懸念されており、予想通りでもドル高・円安要因にはなりにくい。

 4月22日〜26日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)3月中古住宅販売件数 −− 22日(月)日本時間午後11時発表
・予想は、500万戸
 先行指標の中古住宅販売成約は、2月が-0.4%、1月+3.9%。販売件数は主に1、2ヵ月前の成約の数字が反映される。2月実績が減少したのは1月に増えた反動との見方が多い。中古住宅市場に顕著な変化は生じていないことから、コンセンサスは妥当か。

○(米)3月新築住宅販売件数 −− 23日(火)日本時間午後11時分発表
・予想は、41.9万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は3月44←2月46と低下し、マイナス要因。住宅ローン金利は月平均で若干低下しており、プラス要因。3月中の住宅ローン申請指数内訳の新規購入指数は上昇、低下を繰り返しているが、やや下げ止まっている。市場予想は妥当な水準か。

○(米)3月耐久財受注 −− 24日(水)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比-2.9%
 参考指標となる3月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は51.4と2月57.8から大幅低下。3月の各地区連銀公表の製造業関連指標はNY、カンザスシティー、リッチモンドがやや悪化、フィラデルフィア、ダラスは改善。変動が大きい航空機需要は無視できないが、前月比で減少する可能性は高いとみられる。

○(米)1−3月期実質国内総生産(GDP)速報値 −− 26日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前期比年率+3.0%
 3月の小売売上高(自動車を除く)は、-0.4%と予想に反して減少した。貿易収支は、3月未発表ながら内訳の実質財収支の1、2月平均は-437億ドルと、10-12月期平均-428億ドルとの比較で赤字幅はやや拡大している。GDPには下振れリスクがありそう。

 主な予定は、23日(火):(米)2月住宅価格指数、26日(金):(日)3月全国消費者物価指数、(米)1−3月期GDP価格指数、(米)4月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値

【予想レンジ】
・ドル・円97円00銭〜102円00銭