巨大市場ウィークエンド・マーケット。おしゃれな小物から生活雑貨・食料品までありとあらゆるものが渾然一体となって売られている。国鉄の利益がこれまでの10倍以上になったことから、いかにマフィ●が搾取し、うまい汁を吸っていたかがわかる【撮影/『DACO』編集部】

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バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談:ウィークエンドマーケットの利権
 ブン様。お世話になります。
 たくさんの観光客と地元の業者で賑わうウィークエンドマーケット(編注:正式名称はチャトゥチャック市場)で10年以上商売をしている友人のことで相談します。
 昨年からタイの国鉄が主になりましたが、友人は又借りをしているため不安定な状態が続いています。私の望みは国鉄が又貸し者を排除して、末端の又借り手が直接契約できるような救済措置があれば幸いなのですが、今のところ自然の成り行きに任せるしかありません。
 ここで商売するには、どのような決まりがあるでしょうか。ご助言よろしくお願い申し上げます。(匿名さん)


【ブンからの回答】

マーケットの賃貸料

  1948年、王宮前広場に登場した巨大集合市場は、何度か移転を繰り返し1982年に現在の場所に落ち着きました(現在の名称になったのは1987年から)。11万2000?の広さでギネスブックに登録されています。月の賃貸料は場所により1ブロック(2m×2m)120〜500バーツ(約400〜約1700円)なのですが、又貸しが繰り返され、末端の借り手は1ブロックに5万バーツも払っています。

タイ国鉄のお達し

 昨年年1月にバンコク都からタイ国鉄が運営を移譲されたのに伴い現在は

(1)1ブロック賃貸料はひと月3157バーツ(約1万800円)

(2)登録料が5万バーツ(約17万円)だったのが不要

(3)賃貸契約保険2万1312バーツ(約7万3000円)も不要

(4)契約期間は2年のみ

(5)又貸し禁止

(6)すでに借り手のいる物件を借りたい場合、国鉄と直接契約を結ぶこと

(7)賃貸料は場所によって1ブロックあたりひと月5000〜1万バーツ(約1万7000〜約3万4000円)も。

になっています。

 こういう条件ですので腹の虫が収まらないのがこれまで安い賃貸料で商売していた人や又貸しで利益を得ていた人です。

 末端で借りていた人は歓迎しています。場所によって5万バーツも払っていた賃貸料が1万バーツになり、名義も入るのですから。

 ところがそううまくもゆきません。需要と供給のバランスにより、名義はなくていいからと高い賃貸料を払う人もいます。そうすると以前と変わりません。厳しく管理すればいいのですが、どっこいここにはマフィ●がガッチリと入り込んでいます。新聞報道によると年間10億バーツ(約340億円)ものお金が不正に生み出されていたそうです。宝の山ですね。

利権のゆくえ

 数年前、私の友人が賃貸料の集金を手伝わされたことがあって、集金に行ったら「すでに払った」と言って領収書を見せてくれました。領収書は友人が用意していたものとタテ長かヨコ長かの違いだけで内容はまったく同じ。そのお金の行方を追及すると職員は黙りこんだり、にやにやするだけだったそうです。

 友人曰く、切符売りの職員でさえ制服を着ていないときは高級品をまとっているそうです。
 運営がタイ国鉄になり、マフィ●が一掃されるのか、利権の構図が再び繰り返されるのか。タイの有識者たちもこれを問題視していました。

 土地の持ち主が変わって1年。以前バンコク都が管理していたときの年間利益は2000万バーツ(約6800万円)だったのが、国鉄になり利益は3億バーツ(約10億円)になったそうです。

(文・撮影/『DACO』編集部)