ハッシュパピー役の天才少女・クヮヴェンジャネ・ウォレス
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 サンダンス映画祭グランプリ受賞作『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』(4月20日公開)の冒頭映像が本邦初公開された。同映画祭で「映画史上に残る素晴らしく感動的なオープニングシーン」や「タイトルバックが現れた瞬間に鳥肌が立った」などと称賛された幻想的な映像だ。

 今年2月に授賞式が開催された第85回アカデミー賞では、作品賞をはじめ、主演女優賞、監督賞、脚色賞の4部門にノミネートされた本作。とりわけ、延べ4,000人のオーディションから主演・ハッシュパピー役に抜てきされた演技経験のない少女クヮヴェンジャネ・ウォレス(撮影当時6歳)が、史上最年少(9歳)で同主演女優賞にノミネートされた際には話題をさらった。

 描くのは、世界最速のスピードで地盤沈下が進みつつあるアメリカ・南ルイジアナを比喩した舞台で、貧しくも強く生きようとする父子の愛情劇。100年に一度の大嵐に見舞われ、一晩で多くのものや人を失う中、父の重病を感じ取った6歳の少女を通して伝わる死生観に胸を打たれる。ぶっきらぼうながらも娘を愛する父と子の絆は圧巻だ。

 解禁された約3分半の冒頭映像は、年に一度のお祭りに人々が歌い、踊り、花火を打ち上げる幻想的なシーン。新鋭ベン・ザイトリン監督は、「南ルイジアナでは、ハリケーンがやってくるときに、嵐が来る前と去ったあとで『ハリケーン』を迎えるための“ハリケーンパーティー”というお祭りをするのですが、これは『悲劇に負けない』という反骨精神と、『人生を謳歌(おうか)しよう』という希望をもった彼らの考え方が受け継がれている行事」と説明。

 わが国は東日本大震災という災害に見舞われたが、「水辺に住む人たちや過酷な自然の脅威の中で住む人々に対し、もっとリスペクトするべきではないかと思います」と提起し、「災害後にその場所で今闘っている人々にもっと目を向けるべきではないでしょうか?」とザイトリン監督はメッセージを残している。(編集部・小松芙未)

映画『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』は4月20日よりシネマライズ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開