アイドルグループSMAPには長い下積み時代があった。中でもリーダーの中居正広には期待が大きかった分、ジャニー社長から厳しく指導され、時には激しく怒鳴られていたというのだ。

「僕にNGは無いんです」。4月17日深夜放送の『ナカイの窓』(日本テレビ系)に集まった芸能界のジャニーズオタクらに向かって、MCの中居正広は事前の番組打ち合わせで出なかった質問にも答えると言い切った。“何を喋っても怒られない”というのは、いかに彼が所属事務所から信用されているかの証でもあろう。

1993年9月に発売された、SMAPのシングル「君は君だよ」の発売記念で行われた握手会についての質問があがった。それは横浜アリーナで朝9時から夜9時までの12時間、8万人のファンと握手したイベントである。すると「あぁ、覚えてる…」と中居は机に顔をつっ伏し、「アレはダメ!」と苦笑いする。実際にイベント終了後、“無理だ”と事務所側に今後の開催を考え直してもらったことを中居は明かした。12時間も握手をし続けるというのは、想像を絶する過酷さであったようだ。

“事務所社長のジャニー喜多川氏はどんな人なのか?”と聞かれると、中居は「自分たちの新人時代は、もの凄く怖い人だった」と話す。「てめえら、馬鹿野郎! この野郎!」と怒られるのは日常茶飯事で、特にSMAPの中でMC的な役割を担っていた中居には厳しかったようだ。

ジャニーズ史上NO.1のグループだと中居も認める、光GENJIのコンサートでの出来事だ。当時は売れていなかったSMAPは5分間だけ、そこで時間がもらえたのだという。2分間の歌の披露の後、中居はメンバーらの紹介や近況を紹介する役割だった。だが2万人もの観客を前に緊張して、話す内容を忘れたりスムーズにトークを進めることができなかったのだ。ステージから降りた中居は、ジャニー社長から「光GENJIのコンサート潰す気か、この野郎!」と激しく叱責されたそうだ。他のSMAPメンバーには一切喋らせず、中居に全て責任を持たせていたジャニー社長。その大きな期待に応え厳しい指導に耐えたからこそ、今の立場を中居は得たのである。

「これでSMAPとして、やっていける」と中居が実感したのは、草なぎ剛が1997年に連続ドラマで主演を務めたことだという。メンバー全員が各々で活躍できてこそ、グループとして強固な結束が生まれ、長く続けていける。この時の中居の確信は間違っていなかったのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)