[其ノ二 FX 為替チャート編]出遅れ中の南アランドは11円に節目
鉱山ストライキ、南ア国債の格下げ…消化すべき悪材料が多い


今、高金利通貨といえば「豪ドル」が注目されがちですが、2008年までは政策金利12%だった、南アフリカランドも大人気でした。

しかし、南アフリカ経済の長期低迷が投資家に不安を与え続けたことで、アベ相場の波にも乗り切れず出遅れてしまっています。具体的に足を引っ張っているのは、昨年7月の1年8カ月ぶりとなる政策金利の5.5%から5.0%への引き下げ、鉱山ストライキの深刻化などです。ストが報道された昨年10月には一時、8.7円まで下落しました。

また、左上の図のように年初からの上昇率を見ても、南アランドは米ドルなどの主要通貨と比べても鈍め。他の対円ペアが昨年3月の高値を大きくブレイクしているのに対して、南アランド/円は2月中旬の時点でまだ届いていません。

世界的に投資家心理が改善し、多くの先進国や新興国通貨が底堅さを示しているのにもかかわらずです。

「出遅れている分、上昇余地は大きい?」とも考えられますが、スト再燃に伴う貿易赤字の拡大や南ア国債の格下げなどの懸念もあり、急上昇は簡単ではないでしょう。

ただ、これらのマイナス材料をこなせば、中長期的には持ち直しに転じる可能性があります。その場合、大きな抵抗帯となっている昨年3月の11円近辺がポイント。ここを大きく上に抜ければ、他通貨以上の上昇もありそうです。

【今月のテクニカル軍師】
福島 理(TADASHI FUKUSHIMA)
マネックス証券 マーケティング部

テクニカル分析はもちろん、投資家の売買動向まで熟知。国際テクニカルアナリスト連盟・国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。



この記事は「WEBネットマネー2013年5月号」に掲載されたものです。