名作昔話もまさかのリジェクト! アップルのアプリ審査担当者“デービット”の意味不明な審査基準に、アプリ開発者たちの怒りが爆発

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iPhoneやiPadなど、アップル製品のみ使用できる「iOSアプリ」。今や全世界の累計ダウンロード数が400億本を超える巨大市場だ。当然、星の数ほどの企業が新アプリでヒットを狙っているが、その裏では多くの開発者たちがアップルの厳しい審査に苦しめられている。

アプリの新規申し込みはアメリカのアップル本社の管轄で、審査を通過するか否かは彼らの判断で行なわれる。しかし、その基準が、日本のアプリ開発者たちには理不尽に思えるものが多いのだという。出版社系のアプリ開発を数多く手がけるB氏によれば、開発者たちはそれをアップルの“リジェクト問題”と呼んでいるそうだ。

「リジェクトとはアップルのアプリ配信サイトである『App Store』で配信中のアプリが削除されたり、アプリの新規申し込みがはじかれることです。特に削除は告知なしで一方的に行なわれることが多いので非常に困ります」(B氏)

官公庁から放送、出版まで幅広くアプリ開発を手がけるC氏は、次のような例を語ってくれた。

「これは知り合いのプログラマーから聞いた話なんですが、彼が所属している会社が『桃太郎』をテーマにしたアプリを開発してたんです。これが何度もリジェクトされたらしくて……。『桃太郎が真剣白刃取りをする』というアプリなんですよ。ポルノでもグロでもなく、普通にミニゲームとして楽しいハズなんですけど、アップルに言わせると『赤ちゃんに対して刀で斬り込む行為は児童虐待』だそうです」

もちろん、その会社はアップルと交渉を試みたという。

「『これは日本人なら全員知っている昔話のパロディで、誰も児童虐待とは思いませんよ!』と説明してもアップルは取り合ってくれない。結局、キャラクターのデザインを幼児には見えないように変えて、申請をクリアすることができたんですが、そのやりとりだけで3ヵ月もかかったそうです」(C氏)

この審査の窓口となっているのが、“デービッド”と呼ばれるアップル本社のアプリ審査担当社員だ。自称“極東地域の最高責任者”だが、その正体は謎めいている。実際にやり取りした開発者たちの間では、「まったく融通が利かない」「日本語が堪能だけど、時々声とかイントネーションが違う」「名字すら知られていない」など、デービッドに関するさまざまな情報が飛び交っているのだ。

「『デービッドは何人もいる』という噂があります。映画『マトリックス』のエージェント・スミスみたいな感じです」(前出・C氏)

出会い系からキス動画アプリまで、幅広くなんでも開発するA氏は「何週間も申請の返事を待たされて、やむを得ず日本法人に電話したら、デービッドが出たことがありました」と証言する。

「アメリカにいるんじゃないの? やっぱり“デービッド”はエージェント・スミスですね」(A氏)

変幻自在に現れてはアプリをリジェクトしまくる“デービッド”には、みんなお手上げのようだ。

(取材・文/直井裕太 イラスト/服部元信)

■週刊プレイボーイ17号「アップルの“理不尽”全部話します!」より